フランスとスイスの国境にほど近い、ドイツのヴァイル・アム・ラインという町に位置する「ヴィトラ キャンパス」の存在は以前から知っていた。広大な敷地の中に、安藤忠雄、フランク・ゲーリー、SANAAなど、錚々たる建築家の施設が点在している――取材の機会を得て、現地に向かった。
火災からの再建が「ヴィトラ キャンパス」の発祥
スイス・バーゼル市内から国境を挟んで車で15分ほど、ドイツのヴァイル・アム・ラインに「Vitra Campus(ヴィトラ キャンパス)」はある。緑に囲まれた2万5000平米の敷地に、美しい建築が点在している。ここは、家具メーカーの「ヴィトラ」がその企画・家具製造を行う場。それに加え、ショールーム兼ショップ、建築を学ぶスクール、美術館、庭園、消防署、カフェなどを備え、広く一般に公開されている。世界の建築家が手がけた建物を巡るガイドツアーも行っていて、年間で50万人もの人が訪れている。
現地で迎えてくれたのはクリスチャン・グロッセンさん。…