画期的な文字の発明が生んだ新たなデザイン
写真植字の百年
デジタルフォントが用いられる以前、印刷文字の主流は活字や写真植字だった。なかでも、写真の原理を応用して1枚の文字盤からさまざまな文字をつくり出せる写真植字の登場は、膨大な金属活字から必要な文字を選び出す活版印刷の煩雑さを解消する画期的な出来事だったといえる。
その利便性によって、印刷業に携わる人々の職場環境が大きく改善され、さらに書体の開発が容易になったことから多くの美しい書体が生み出される契機ともなった。
写真植字の発明から100年を記念した本展では、活版印刷からデジタルフォントへと文字印刷の橋渡しを担った写真植字の歴史や役割、仕組みとその機器の開発、さらに物理的な制約から解放されることで次々に誕生した多様な書体デザインの表現を紹介している。
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