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映像とクリエイティブ 視聴デバイスの多様化で変わる表現

拡大する市場と多様化するプラットフォーム 動画広告の打ち手と表現

髙橋律仁(TBWA HAKUHODO)

横型だけでなく、縦型の活用も一気に拡大し、成長の一途をたどる動画広告市場。メディア環境の変化に伴い、今、動画広告表現においてはどのような傾向が生まれているのか。

「自社」から「社と自」に

動画広告市場は年々拡大しており、2023年の市場規模は6253億円で、前年比112%の成長を見せました(サイバーエージェントとデジタルインファクトによる「2023年国内動画広告の市場調査」より)。またそのうち、スマートフォン向けの動画広告は全体の81%である5048億円を、Amazon PrimeやTVerを含むコネクテッドTVの広告は22年比137%の740億円を占めています。動画広告市場全体では、2024年は7209億円、27年には1兆228億円に達すると予測されています。

このようにニーズが高まり、表現の多様化も進む動画広告ですが、ここ最近の表現における潮流として2点が挙げられます。まず、ブランドのイメージを伝え価値を高めるブランデッドムービーの分野では、「自社」目線から「社と自」目線への変化が起こっていると感じています。それは自社の哲学を壮大に語る動画から、さまざまな「自分」、つまり生活者個々人を認めるメッセージを内包した動画にシフトしつつあるということ。昨今海外アワードなどにおいても、ダイバーシティやインクルージョンをコミュニケーションにおいて打ち出す例は多いですが、尺に自由が利く動画広告ではそれがより顕著に見られます。

「プロダクツ」から「コンテンツ」へ

一方、商品をより直接的に訴求するプロモーションムービーにおける特筆すべき変化は、「プロダクツ」目線から「コンテンツ」目線への変化です。モノを売るための商品やサービス紹介という従来の「プロダクツ」型の広告は一方向的な発信になりがちで、プロモーションは「コンテンツ」にしなければ生活者に広がりづらい時代になってきています。…

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