IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

映像とクリエイティブ 視聴デバイスの多様化で変わる表現

共感と意外性を生み出す縦型ショートドラマのつくり方

筧将英(FOR YOU)、三野龍一・三野和比古(こねこフィルム)

昨今、縦型動画の中でもひときわ存在感を放つ「ショートドラマ」というジャンル。数多ある縦型動画プラットフォームの中で、見られる・シェアされるための秘訣とは?コミュニケーション設計に強みを持つFORYOUの筧将英さんと、縦型動画の演出に強みを持つこねこフィルムの三野龍一さん(演出家)、三野和比古さん(プロデューサー/脚本家)に話を聞いた。

ポイントは「共感」と「意外性」

 こねこフィルムさんの縦型ショートドラマですごいのは、会話劇の面白さや映像のクオリティを突き詰めつつも、多くのシェアやコメントなど数字的な成果も出ているところ。開始数秒のインパクトで引きをつくるような短尺動画の常套手段とはまた別の路線を確立されていますよね。たとえば「年齢確認シリーズ」(01)は累計2億回以上再生されていますが、両立のポイントは何でしょうか?

01 こねこフィルムが制作し、TikTokなどで公開した縦型ショートドラマ「年齢確認シリーズ」は、累計2億回以上再生。コンビニのレジのシーンを舞台に、年齢確認をしたい店員と、年齢確認をされることに嫌悪感を抱く女性客との会話劇などを描いた。店員の機転を利かせた一言に、女性客の態度が徐々に変化していく。

三野和 このシリーズでいうと、最初は日本人に好まれがちな恋愛を題材にすることで、とにかく数字を取ろうと思ったんです。でも若い俳優が普通に演じても埋もれてしまうので、企画や演出に何か意外性が必要だろう、と。どこにそのポイントをつくれるだろうと考えた時に、日本の偏りのある“多様性”に目を付けました。日本では「おばさんなのに」などと、年齢に応じた偏見がありますよね。それを逆手に取って、多くの人が想像しやすい「年齢確認」というシーンに当てはめて、そこから始まる恋愛ストーリーをつくろうと思いつきました。

 ポイントは「共感」と「意外性」ということですね。…

あと80%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

映像とクリエイティブ 視聴デバイスの多様化で変わる表現 の記事一覧

拡大する市場と多様化するプラットフォーム 動画広告の打ち手と表現
増えるアニメーション広告 テレビCMとSNSに適した表現は?
横型・縦型共に面白路線で人気「銀のさら」CM企画の裏側
リアリティと落差で引き付ける6秒バンパー広告
共感と意外性を生み出す縦型ショートドラマのつくり方(この記事です)
気鋭のCMプランナーに聞く課題の読み解き方&企画の考え方
生成AIを活用した動画制作 著作権上の注意点は?
ブレーンTopへ戻る