IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

映像とクリエイティブ 視聴デバイスの多様化で変わる表現

生成AIを活用した動画制作 著作権上の注意点は?

澤田将史(高樹町法律事務所)

一部の動画広告ですでに活用が始まりつつあり、今後さらに浸透していくことが予測される生成AI。テキスト生成・動画生成の両方において活用の可能性があるが、その際の注意点とは。経済産業省の「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」(2024年公開)の作成に関わるなどエンタメ分野の著作権問題に精通した弁護士、澤田将史さんが解説する。

生成AIでも著作権侵害の枠組みは同じ

生成AI利用にあたっての著作権侵害を考える際には、(生成AI自体の)開発段階と、生成・利用段階という2つのフェーズを分けて考える必要があります。今回は特に動画の企画制作にあたっての活用を題材にしているので、後者の生成・利用段階について説明していこうと思います。

そもそも著作権侵害の要件は、従来の裁判例を踏まえると、「依拠性」と「類似性」の2つがあります。依拠性とは「既存の著作物をもとにつくったか」、類似性とは「既存の著作物に似たものをつくったか」。その2つが認められると著作権侵害となるということです。

この2つで判断する枠組みは、AIで生成したものについて考える際にも変わりません。AI特有の問題があるのは「依拠性」です。まず、...

あと81%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

映像とクリエイティブ 視聴デバイスの多様化で変わる表現 の記事一覧

拡大する市場と多様化するプラットフォーム 動画広告の打ち手と表現
増えるアニメーション広告 テレビCMとSNSに適した表現は?
横型・縦型共に面白路線で人気「銀のさら」CM企画の裏側
リアリティと落差で引き付ける6秒バンパー広告
共感と意外性を生み出す縦型ショートドラマのつくり方
気鋭のCMプランナーに聞く課題の読み解き方&企画の考え方
生成AIを活用した動画制作 著作権上の注意点は?(この記事です)
ブレーンTopへ戻る