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AI×発想力 人の心を動かす創造性の拡張

「一本釣りから網漁に」AIを発想にどう使う?

中島琢郎(tacto)

クリエイターはアイデアの発想段階においてどのようにAIを活用できうるのか。創造的思考と生成AIを組み合わせたワークショップやコンサルティングなどを提供する、tactoの中島琢郎さんに話を聞いた。

リサーチ段階でAIをどう使う?

企画を考えるにあたり、「リサーチ」と「アイディエーション」という2つのフェーズがありますが、それぞれにおいて生成AIを活用しています。最近リサーチ段階で使っているのは、「Perplexity(パープレキシティ)」という主にマイクロソフトの検索ツールBingとChatGPTを組み合わせたツール。会話形式で質問を打ち込むとその回答を吐き出す点はChatGPTと同じですが、逆に異なるのは、あまり詳細な指示をせずともソースを明示してくれて、レポートのような形式で簡潔に要約してくれるところです。半年間ほど育成したインターンが数時間かけてまとめたような内容を一瞬で吐き出してくれるんですよね。これがあると、あまり詳しくない業界の仕事を担当する際にも、あっという間に業界の基礎知識を得ることができる。手軽に使えるので、“AI慣れ”していない人にも導入しやすいと思います。

その他、リサーチ段階では、ユーザーインタビュー前の仮説づくりにChatGPTを使ったりしています。架空のペルソナ設定をし、ChatGPTにその人の役をさせて、何を考えているのか、どんな課題を抱えているのか、などとインタビューをするんです。現状、AIはハルシネーション(AIが事実と異なる情報を事実のように吐き出すこと)を起こすことがあり、それは一般的にリスクと捉えられていますが、発想を広げるという観点では味方になり得ます。

「型」×「テーマ」でアイデアの種を生成

改めて、「発想」の過程を自分なりに分解したのが(01)の図です。…

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