2024年3月に『クリエイティブ・サイエンス ココロを動かす11の手法』(宣伝会議刊)を上梓した、クリエイティブディレクターの松井 正徳さん。そこで分析・体系化した「人のココロを動かす」手法はAI時代、どのような拡張可能性を秘めているのだろうか。
クリエイティブ・サイエンスはプロンプトにもなりうる
『クリエイティブ・サイエンス』で僕が試みたのは、「人のココロを動かす」手法を分析・体系化して、それを11の模式図に落とし込むことです。広告会社にはさまざまなタイプのクリエイティブディレクターがいますが、それぞれ「正解」とする企画が異なることを、ずっと不思議に感じていました。しかも全ての方が、それぞれのルールのもとに結果を出している。ではその背景におそらく共通して存在する、結果を出す=人のココロを動かすためのセオリーとは何なのだろう?と思い、自分が良いと思う広告を分解して分析してみたんです。すると11の手法が見えてきました。
本書では、人のココロが動く過程を「気付く(ノック)」「受け入れる(アクセプト)」「グッとくる(エミッション)」「人に伝える(ディフュージョン)」の4段階に分けて解説しています(01)。そのうち特に「グッとくる」状態をどう生み出すかについて、…