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デザインプロジェクトの現在

二次元の中に三次元の軌跡を組み込むデザイン

八木幣二郎

「ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)」で、八木幣二郎さんの「NOHIN:The Innovative Printing Company新しい印刷技術で超色域社会を支えるノーヒンです」と題された個展が7月10日まで開催された。それをきっかけに、デザインにまつわるあれこれを聞きに行った。

「NOHIN」という架空の企業

「ggg」の入り口には、「NOHIN」と記されたフラッグがかかっており、あたかも一企業のデザインにまつわる展覧会を行っているような風景だ。扉を開けた壁面には、「NOHIN 新しい印刷技術で超色域社会を支えるノーヒンです」と記され、ロゴデザインをはじめ、屋外広告ポスター、設立から現在に至るまでの系譜が展示されている。それぞれに丁寧なキャプションが付されており、辿っていくと、「NOHIN」が光と印刷の新技術を開発・製造するグローバル企業であり、光の新たな状態を示す「Z線」の存在を発見した、超色域社会の先端企業であるとわかってくる。事業のひとつとして手がけているプリンティングシステムモジュール「ZDプリンター」の実物も展示されており、時代の先端を切り拓いてきた企業のありようが伝わってくる。

撮影:竹久直樹
会場外観。

撮影:竹久直樹
1階ではNOHIN社の沿革やCI、制服などを展示。同社は「光と印刷の新技術を開発・製造するグローバル企業」とされ、「光の新たな状態を示すZ線」を事業の軸に「光学技術や印刷技術を提供」している。しかし全ては架空のもの。

撮影:竹久直樹
地下1階では...

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