大阪・八尾市にある町工場・藤田金属。その社員が現場で着る作業服がアパレルブランド「F/CE.」とのコラボで2023年に刷新された。人材の課題解決のために制作されたというがその効果はいかに?




採用と社員のモチベーションアップが課題
藤田金属は、さまざまな製造業の企業が集まる大阪府・八尾市で1951年に創業。約20人のスタッフで、フライパンや鍋、ヤカン、コップなどの金属製品を幅広く製造してきた。特にクリエイティブユニット・TENTとコラボして2019年に発売されたハンドル着脱式の鉄フライパン「フライパン ジュウ」はヒット。2021年には工場併設の直販ショップもオープンするなど、町工場の中でも抜きん出た存在として知られていた。
そんななか、町工場のものづくりを体験できるイベントにて、藤田金属の代表取締役社長 藤田盛一郎さんと電通の寺田昌樹さんが出会う。当時のことを寺田さんはこう振り返る。「藤田金属はすでにイケてる町工場として知られていたので、特に課題はないだろうと思っていたんです。でもよくよく話していくと、意外にも採用や人材の定着に課題を抱えているということでした」。
藤田さんは「商品は徐々に知られてきていますが、働くとなるといまだに"3K"のような見られ方もありますし、工場の場所が駅から少し離れているので通いづらいなど、ハードルが高く感じられてしまうことが多くて。藤田金属で働きたい!と指名で来てくれる…