The One Show 2024
第103回ニューヨークADC賞
「The One Show 2024」と103回目を迎えた「ニューヨークADC賞(ADC 103rd Annual Awards)」の結果が5月に発表された。日本からは、両賞の最高賞に次ぐ部門賞を JRグループの「MY JAPAN RAILWAY」が受賞したほか、ニューヨークADCの部門賞には、日系繊維ベンチャー企業の AIZOME による「AIZOME WASTECARE」、甲子化学工業の「ホタメット」が選ばれた。
両賞のいずれも、今回から非営利団体部門の最高賞にあたる Best of Non-Profit を設けた。The One Show の最高賞はフランスの大手電気通信プロバイダー、Orange の「WoMen's football」が受賞。女子サッカー選手を取り巻く偏見を覆すことを目的に、女子サッカーを支持している Orange の企画だ。前半に男子選手の試合映像が映し出されるが、終盤にはそれが女子選手のディープフェイク映像だと明かされる。
ニューヨークADC賞の最高賞は Microsoft の「ADLaM」が受賞した。西アフリカのフラニ族のアルファベット書体をデジタルフォント化した試みだ。長らく文字体系を持たなかった部族の言語を守るために、同部族のバリー兄弟がアルファベット書体「ADLaM」を開発。それを Microsoft がデジタル化し、世界的な影響を与えた。
日本の「MY JAPAN RAILWAY」は The One Show の Design 部門と、ニューヨークADC賞の Illustration 部門で部門賞を受賞した。
ほかに、ニューヨークADC賞の部門賞ではドイツで事業を展開する AIZOME による「AIZOME WASTECARE」が Apparel / Accessory / Footwear Design 部門で受賞。同社の繊維製造工程で出る廃水をそのまま利用したスキンケア製品で、オーガニックな性質と薬効に着目して開発された。甲子化学工業の「ホタメット」は、Product Design 部門で受賞した。
このほか、「MY JAPAN RAILWAY」はカンヌライオンズ2023では Industry Craft 部門でグランプリに輝いたほか、2024年のクリオ賞でも Design 部門で最高賞の GRAND を獲得している。「AIZOME WASTECARE」も、同賞の Public Relations 部門で GRAND を受賞。日本関連の上位受賞作品が複数アワードで上位賞を獲得した。
The One Show 2024
Best of Show(最高賞)
Best of Discipline(Film & Video 部門、Interactive, Online & Mobile 部門)
Orange「WoMen's football」
(Marcel+Les Artisans du Film+Prodigious)
Best of Non-Profit(非営利の最高賞)
Digital Public Library of America「Banned Book Club」
(FCB+456 Studios)
Best of Discipline(部門賞)
●Creative Effectiveness 部門
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