多角的な資料から辿るブランドと創造の変遷
髙田賢三 夢をかける
1970年にパリで自らのブランドを立ち上げたファッションデザイナーの髙田賢三は、木綿の新たな可能性を打ち出し、独特の色使いや柄の組み合わせを用いたことから「木綿の詩人」や「色彩の魔術師」と称され、その作品は今も世界中で愛されている。
2020年の没後初の大規模個展となる本展は、その人柄を語るトピックを織り交ぜながら、幼少期から描いていた絵画やアイデアの源泉となった資料、衣装デザイン画などを紹介する構成となっている。
展示前半は、1960年に「装苑賞」を受賞した際の作品をはじめ、「日本のきれ」を使った初期作品、「ニット」「バルーン」といった素材や技法、「アンチクチュール」など1970年代に発表されたテーマに着目。
後半では、髙田の代名詞とも言われる世界各地の民族衣装に着想を得たフォークロア作品を一堂に展示。…
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