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ローカルから世界へ 今、地域を面白くするクリエイティブ

横の繋がりが育む文化 エリア超えて目立つ企画を

大塚久雄、都竹玲子、船引悠平

CCN(コピーライターズクラブ名古屋)や名古屋広告業協会といった団体を有し、最近では同協会による「eightawards」などにも取り組んでいる東海地域。今回は特に愛知県を中心にルーツを持つ3人のクリエイターに話を聞いた。

愛知エリアで誰もが知るあの歌

大塚:どこの地域でも同じだと思いますが、愛知にも歌もののCMがたくさんあります。まず名古屋ということで、有名なのは「アイツは突然やってくる~なにしろ突然やってくる~♪」という歌で知られる、「矢場とん」のCM。ローカルのCMでは、1本のCMを数年放映することを想定して、こういった耐久性がありいつ見ても効果的なメッセージフォーマットをつくることが多いと思います。あとはそもそも商品名が素晴らしい、ナカモの「つけてみそかけてみそ」のCMも(01)。名古屋の人であれば、この名前を見れば頭の中で曲が流れるはずです(笑)。

01 ナカモ「つけてみそかけてみそ」のCMシリーズ。商品自体の発売は1994年で、1990年代半ばから「つけてみ~そかけてみそ♪」という曲を用いたCMを放映している。登場している女の子は現在のCMで5代目。

都竹:懐かしいです。「つけてみ~そかけてみそ♪」は皆知っていますね(笑)。

大塚:それから、清洲桜醸造「清洲城信長鬼ころし」の「時が香る」篇(02)も「信長になってみたいけど信長になってみたいけど~♪」という演歌調の曲が耳に残ります。残る曲をCMで使うことで、思い出して購入してもらうのに効果的ですよね。

02 清洲桜醸造「清洲城信長鬼ころし」のテレビCM「時が香る」篇。「信長になってみたいけど信長になってみたいけど~♪」という曲を起用したCMは2010年から放映開始。現在放映中のものは第二弾で、2022年から放映されている。

船引:これは今放映されているのが第二弾なんですが、実は第一弾に僕もダンサーとして出演しています。ダンスの経験はありませんでしたが、監督には「君が一番踊りを頑張ってるね」と褒めてもらいました(笑)。地方の広告だとどうしても予算が少ないこともあり、こうした試行錯誤が必要なこともありますね。

僕は2009年の広告ですが、名古屋広告業協会の「日本一おいしいうどん屋」(03)が大好きなんです。広告の価値とは何たるかをシンプルかつユーモラスに言い表すコピーに、広告の面白さを教えてもらった気がします。これは協会の会員社の社員から作品を募って制作されたものと聞きましたが、名古屋広告業協会では最近でも広告価値向上のために「eight awards」...

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