クリエイションの最前線を担っている、クリエイティブエージェンシーや制作会社。今回はそのトップや責任者に2024年の方針や戦略を聞きました。映像制作はもちろん、AIやxRへの対応やクリエイティブへの原点回帰、海外進出まで――。各社が見据える2024年はいかに。
クオリティとクラフトの強化
制作費がどんどん下がっている中で、「安かろう・悪かろう」にならないように。アイデアや提案を常に心がけて、予算の範囲内でどうやってクオリティを上げていくかという点に引き続き注力していきます。特にクラフトはスタッフの皆さんの協力がないと上がっていきませんので、プロダクションとしてリスペクトを欠かさないようにしています。広告として視聴者の記憶に残ることが、結果としてクライアントのためになると思っています。
広告業界内のパートナーシップの醸成
未だに広告業界には古い体質も残っています。コンプライアンスが叫ばれている昨今、受発注の関係から起こりがちな問題の解決には、パートナーシップが欠かせません。そのために、当社が意識的にやっていることは、広告会社に対しては、見積もりの透明性を上げること。スタッフに対しては、相手の立場に立つホスピタリティを忘れないこと。いずれにせよ対話を増やし、お互いの立場からしっかり話す時間を設けることを大事にしています。
社員に合わせた働き方と生産性強化
プロダクション業界に優秀な若手が入ってこなくなっています。ものづくりは楽しいと思ってもらえるように、働き方をアップデートできるように意識しています。具体的には、子どもがいる親への家事育児支援ヘルパーの全額補助や、朝活手当(朝9時前の出社に対して朝食代を補助)や趣味手当(月3万円まで)などを充実させたりしています。さらに、明確な報酬・評価制度も社員のモチベーションを上げていると思います。
体験の謎を解き明かす
“体験”は、人が生きていくうえで必要不可欠な要素であり...