20 年におよぶ広告表現写真家の眼差しと軌跡
上田義彦 写真展「いつでも夢を」
ファッション誌『流行通信』でデビューして以来、40年にわたり被写体と向き合い続ける上田義彦。その作品は神聖な森や川、自身の家族、ポートレイト、建築など、多様な主題と表現領域の広さが特徴だ。

写真集『いつでも夢を』AD:葛西薫 ©Yoshihiko Ueda
愛機のディアドルフ8×10を携えて世界中を旅し、ふと湧き上がる強い印象を写真という媒体に封じ込めてきた上田は、広告制作にも精力的に取り組んできた。

1994年 上海 ©Yoshihiko Ueda
本展では、その代表作であり、今なお語り継がれるサントリーウーロン茶の広告作品シリーズを紹介。サントリーの宣伝部をはじめ、コピーライターの安藤隆やアートディレクターの葛西薫ら多くのスタッフと共に制作された作品は、1990年から2011年までの約20年にわたって中国各地を巡った旅の記録であり、変容していく中国の歴史的記録ともいえる。

2001年 北京 ©Yoshihiko Ueda
会場では上田がロケの合間に35ミリフィルムカメラで撮影したスナップを実験的な額装で展示販売するほか、小山登美夫ギャラリー六本木でも同タイトルの展覧会を8月26日まで同時開催中。8月4日には、シリーズ345作品を収録した写真集『いつでも夢を』(赤々舎)が...