クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に活かしているのか。今回は、マンガ家・イラストレーターで『恐竜はじめました』の作者であるクラナガさんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。
『ペルニクス』
Dieter Wiesmüller(著)
(Verlag Sauerländer)
「恐竜のお話を描こう。」
私がそう思い立つのは必然のことだったのかもしれません。
この絵本との出合いは3歳のころ。実家にあった洋書のうちのひとつでした。私の「恐竜」という記憶のはじまり、そして今に繋がる大きな影響を受けた瞬間です。視界にジュワッと染み込む鮮やかな世界、重力を感じるほどに生き生きと描かれた恐竜たち。幾度となく眺めたその姿は長い年月を経てもしぶとく生き続け、大人になった私の奥底でじっと身を潜めていたのでしょう。のちに、さて何を描こうかと筆をとった私の前にひょっこり現れたのは、あの時と変わらないペルニクスでした。
ペルニクスは主人公でありながら決して強い恐竜ではありません。むしろ生きるのに必死でお腹もペコペコで、思わず頑張れ!と応援したくなります。さながら野生動物のドキュメンタリー映画です。
ドイツ語で書かれており翻訳が必要ですが、それもまた…