デザイン・アート・広告賞 今月の展覧会&コンペティション
若林奮 森のはずれ
自身と周縁世界との関わりを巡る思索を内包した作品により、戦後日本の彫刻を牽引した若林奮(1936-2003)。一見すると寡黙で非情緒的とも思われる形態は、自然や時間、距離、空間、表面、境界など、われわれを取り巻く普遍的で形を持たない事象を豊かに内包し、没後20年となる今もなお、私たちが考え、向き合うべき多くを語りかけてくれる。
若林奮 森のはずれ | |
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武蔵野美術大学 美術館・図書館 |
特別展 NEO 月でくらす展
本展は、月が秘める無限の可能性とそれが人類に与えるインパクト、そして何より宇宙開発への夢をかき立てながら、未来の月面での生活を疑似体験できる新感覚の体験型展覧会。月に水が存在する証拠が発見されたこともあり、人類が実際に暮らすためのさまざまな研究や開発が今まさに計画されている。
本展では、月面の開拓者たちの長期滞在が実現した世界を科学的な知見をもとに描き出し、月を開拓する仲間になりきって、その「くらし」を体験しながら楽しく宇宙を学べる。子どもたちが新たな宇宙の体験学習を通して、月を身近な存在と感じられる機会を提供する。
特別展 NEO 月でくらす展 | |
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日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン |
糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。
手で一針一針、縫い進めていく「刺繍」。本展は、この刺繍に注目し、中・東欧の民俗衣装、イヌイットの壁掛け、現代の絵本原画やフランスのオートクチュール刺繍といった多彩な作品約230点を紹介。さまざまな分野を横断しながら、時代や地域を超えて、今なお心を捉える刺繍の魅力を探る。
糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。 | |
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新潟県立万代島美術館 |
発掘・植竹邦良 ニッポンの戦後を映す夢想空間
植竹邦良(1928-2013)は戦後リアリズム美術運動のただ中に画家として歩み始めた。1960年代以降は安保闘争や学園紛争など世相を象徴する事件に題材を取りつつ、戦中の記憶や地形・建築といったモチーフへの執着を混在させ、細部が増殖しつつ反復するダイナミックな世界を構築。府中ゆかりの知られざる画家の全貌を初紹介する。
発掘・植竹邦良 ニッポンの戦後を映す夢想空間 | |
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府中市美術館 |
ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画
フランス・パリに生まれたポール・ジャクレー(1896-1960)は、3歳の時に来日し、64歳で亡くなるまで日本で暮らした。1934年、38歳の頃から、南洋やアジアで暮らす人々を描いた木版画を続々と刊行。昭和前期は、絵師、彫師、摺師の協同作業による「新版画」が盛んとなった時期だが、さまざまな国の老若男女が暮らす姿を鮮やかな色彩で描いたジャクレーの作品は、当時の新版画の中でも異彩を放っている。展覧会では、ジャクレーが挑んだ新版画の全貌を紹介する。前後期で...