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SNSに最適化するクリエイティブ攻略

SNSでの展開から逆算した新ブランドのパッケージ

伊藤園「晴れのち曇り時々お茶」

伊藤園は4月3日、新商品「晴れのち曇り時々お茶」を発売した。ターゲットは若年層や女性。SNSでのプロモーションを見据え、物語性を重視してパッケージをデザインしている。

発売の1週間前からティザーとして、TikTok、YouTube、Instagramで動画広告を運用。

若年層や女性に日本茶の魅力を伝えたい

「晴れのち曇り時々お茶」、通称「ハレクモ」は、日本茶ベースのフルーツティー。りんごやレモン、ももなどのフルーツの爽やかな味わいの中に、緑茶やほうじ茶の優しい風味があるのが特徴だ。「晴れの日も曇りの日も一杯のお茶が私を前向きにする」と、商品のコンセプトを掲げている。

開発の背景について、同社マーケティング本部 緑茶ブランドグループ 商品チーム 柿﨑美智子さんは次のように話す。「当社の『お~いお茶』などの無糖茶カテゴリは幅広い方々に飲用いただいていますが、無糖茶飲料を普段飲まない若年層や女性に、日本茶の楽しさを伝えられるような飲料をつくりたいと考えていました。そこで当社も含め各社から発売されている『抹茶ラテ』のように、日本茶にアレンジを加えることで飲用機会が増えるのではと考え、約1年前から商品開発をスタートしました」。

商品自体の方向性が決まってきた段階で、柿﨑さんたちがパッケージデザインについて相談したのが、cosmosのクリエイティブディレクター/アートディレクター 内田喜基さんだった。オリエンでは、「良い意味で伊藤園らしくなく、物語性のあるときめくようなデザイン」を依頼した。「飲料という身近な商材だからこそ、手元に置いた時にちょっと気分が高揚するようなデザインにしたいと考えていました。またロイヤルティを高めるうえで、物語性も重視していました」(柿﨑さん)。

それに対して内田さんは「今回の商品のターゲット層は、日ごろからInstagramやTikTokを使っている方々が多い。まずパッケージデザインから考えるよりも、SNSで物語性のある企画を展開することを前提に、そこから逆算してデザインしてはどうか」と提案。パッケージと絡めて展開して、多面的に見える形にしようと考えた。

商品名は伊藤園側でフルーツティー自体の素材を訴求する案、情緒に訴える案のいずれかで検討していた。SNSを前提にしたコミュニケーション方針が定まったことで、感性の部分を重視する後者に決定した。

内田さんは、パッケージ案とSNSでの企画案をセットにしたアイデアを複数提案。その中から、天気にまつわる「ツバメが高く飛ぶと空が晴れ、低く飛ぶと雨が降る」という言い伝えから着想を得て、2羽のツバメが茶葉や果実の恵みをもたらす様子を表現したデザインと、ツバメが動いて占いが...

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