商品誕生の地で触れるiichiko designの全貌
イメージの力 河北秀也のiichiko design
「いいちこ」といえば、大分県宇佐市の酒造メーカーである三和酒類が販売するロングセラー商品。
心地よい風景の中に佇むボトルが話題となったポスターをはじめ、色とりどりの食材でボトルをかたどった雑誌広告や旅情をかきたてるCMなど、そのプロモーションの全てを手がけてきたのがアートディレクターの河北秀也だ。
1979年の発売以来、地元九州で少しずつ売上を伸ばしていた「いいちこ」は、河北がつくり上げたブランドイメージの力の後押しもあり、一気に全国に名を馳せるブランドへと成長した。
いいちこ誕生の地である大分県で開催される本展は、一貫した世界観でデザインの本質を提示してきたiichiko designの全貌を紹介するとともに、河北秀也のデザイン思考についても掘り下げていく。
会期中には河北自身が登壇する講演会や、学芸員によるギャラリートーク、歴代CMを彩った楽曲を中心に楽しめるビリー・バンバンのコンサートなどの関連イベントも開催される。
イメージの力 河北秀也のiichiko design | |
---|---|
2月11日~3月29日 大分県立美術館[大分・大分市] |
19世紀から現代までの「部屋」をめぐる表現
部屋のみる夢 ―ボナールからティルマンス、現代の作家まで
生活様式の大きな変化を求められたパンデミック以降、私たちは多くの時間を「部屋」という空間で過ごしてきた。そんな部屋にまつわる表現に特徴のある作品を通じて、この小さな世界で織りなされる親密な記憶や夢想のありようを、あらためて見つめ直す企画展が開催中だ。
社会的な地位や個人の趣味を反映した部屋の表現が重要なテーマとなった近代以降の室内画から、ステイホーム以降におけるパブリックとプライベートの境界のあり方を問うインスタレーションまで、個性豊かな9組の作家による約50点の作品を展示。現代を代表する作家である草間彌生、そしてヴォルフガング・ティルマンスの新収蔵作品も初公開される。