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「働く」をデザイン 従業員の行動が変わるオフィス

イトーキ

イトーキは2018年10月、自社のミッションステートメントである「明日の『働く』を、デザインする。」を実現する空間として、本社を日本橋に移し、「ITOKI TOKYO XORK」をオープンした。

2022年4月に改修した「ITOKI TOKYO XORK」。「ABW」と「Well-being」を基軸にした、新たなオフィスづくりを提案する。「コワーク」スペースはカフェのような雰囲気。

分散・集中の機能をつなぐデザイン

1890年創業のイトーキ。1970年代には「オフィスプランセンター」を開設するなど、働く空間の研究の歴史も長い。現在は全国で約140人の空間デザイナーが活躍し、多くの企業の働く環境づくりをサポートする。

2018年10月には、イトーキが考える新しい働き方を実現させる空間として「ITOKI TOKYO XORK(ゾーク)」を開設。2022年4月にコロナ禍の働き方を踏まえ、ショールーム機能を持つオフィスとして大規模リニューアルを実施した。出社した従業員が働く傍ら、外部から月間で約2000人が来館している。

手がけたのは、営業本部ワークスタイルデザイン統括部第2デザインセンターのメンバー。センター長を務める香山幸子さんは、「時代によって働き方も変化するもの。自分たちの働く場であり、クライアントに最新のトレンドを提供する場所としても毎年改修を行い、自ら最新の働き方を実証実験しています」と説明する。

イトーキでは従業員一人ひとりが自己裁量を持って働くことで個人と企業の幸福、また社会全体の幸せにもつながる「XORK Style」という考え方を発案。ABW(Activity Based Working)の概念も取り入れ、最も生産性が高く働ける場所や時間、相手を従業員自らが選択する、自由度と柔軟度が高い働き方を実現させている。

具体的には、ABWを提唱するオランダのコンサルティング会社であるヴェルデホーエン社の知見に基づき、従業員のオフィス内での「活動」を10種に分類する。1人で行う「高集中」「コワーク」「電話/Web会議」のほか、2~3人の「2人作業」「対話」3人以上での「アイデア出し」「情報整理」「知識共有」、そして心身の切り替えの「リチャージ」「専門作業」から構成される。

イトーキでは、各々の「活動」に最適化されたオフィスや働き方のデザインを提案。在宅勤務と出社のハイブリッドワークが定着した現在は、分散・集中といった機能をシームレスにつなぎ、在宅で勤務する従業員と出社する従業員の距離感を埋めるようなプロダクトも多数提案している。

「ITOKI TOKYO XORK」も、高いデザイン性のみならず、“行動が変わるオフィス”という考えのもとで設計・導入した。空間デザイナーの中村晋也さんも、「私たち自身が一新したオフィスで働き、その実体験を交えてクライアントに提案できるため、説得力も増します」と営業面でのメリットを語る。

空間デザイナーの伊藤猛さんによると、今後は「オフィスのメディア化」が進むという。「ITOKI TOKYO XORK」にも展示や発信のスペースを確保した。「発信拠点として社外の人を招くイベントスペースや、オンライン配信の設備もニーズがある。企業らしさを出すための空間デザインが求められています」。

最近では日産自動車と共同で、クルマを働く空間として活用するモバイルオフィスカー「MOOW(ムーウ)」を開発するなど、「働き方」のデザインを活用する場が拡張している。公共空間や商業施設、ホテルなどにも働く場が広がっているためだ。外部デザイナーとの協業も増え、イトーキのオフィス空間に特化した見識と融合し新たな「働く」のデザインが生まれつつある。

IT×家具の組み合わせで、「分散」と「集中」のシームレスなつながりを強化。

対話や知識共有のための空間。

オンライン打ち合わせ用の設備。2人作業のための独立したスペースも活用頻度が高い。

展示やプレゼンテーションのための設備。

電話/Web会議のための専用スペース。

マインドフィットネスができる「リチャージ」のための部屋も。

センター長
香山幸子さん

伊藤猛さん

島村正信さん

槌田美紀さん

中村晋也さん

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