xRやメタバースなどへの注目が高まる中、広告領域でも新たなテクノロジー活用の可能性が広がっている。CGなどによるリアルタイム表現のR&Dに多数取り組んできた岡田太一さんが解説する。

xRを取り巻くイメージ。
なぜxRの「x」は小文字なのか
xRはこれまで紹介してきたVR、AR、MRなどの言葉に対して、頭文字を不定の意味である「x」とすることで総称した言葉です。それぞれは研究の経緯や適用範囲の違いはあれど、概念に近い部分があったり要素技術に共通項があったりするため、総称する言葉が欲しくなることは理解できます。
xが小文字か大文字か、について明確なルールは存在しないのですが、通常こうした用法で不定を意味する際は小文字で表記します。当初xRという言葉が出てきた際も、小文字表記が多かったように思います。ただ、この言葉がマーケティングワードとして使われるようになると、新たな混乱が生まれてしまいました。
マーケティングワードとして使われる場合、大文字の「XR」が多いようです。xRが「x」を小文字にすることで(少なくとも当初は)明確にその意味を不定としていたのに対し、XRについては「XR」という特定の技術があるという前提で話している人もいます。「Cross Reality」の略でありVR、AR、MRの複合と定義される場合もあります。
確かに近年のVR、AR、MRはその境界が曖昧になってきてはいますが、XRという特定の技術は存在しないため注意が...