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広がるメタバース市場 バーチャル表現はどこまで進化したか

デジタルツインを起用したバーチャルルームツアー

三菱地所レジデンス「SUPER MODEL ROOM」

三菱地所レジデンスは7月28日、新築分譲マンションブランド「ザ・パークハウス」の仮想空間「SUPER MODEL ROOM」を公開した。ここにはスーパーモデルの冨永愛さんのデジタルツインが暮らしており、部屋の中を案内してくれる。

デジタルツインの冨永愛さんが暮らす「SUPER MODEL ROOM」。冨永さんの音声で部屋の中を案内する。気に入った空間は「いいね」やコメントを残せる。

若年層への訴求力を高める

「SUPER MODEL ROOM」は特設Webサイト上で公開されており、体験の際に特別な機器やアプリは不要だ。ルームツアーは部屋に“入る”ところから始まり、デジタルツインの冨永さんの「まずは、ここ。エントランス。とっても広いでしょ?」といった音声案内とともに各部屋を巡っていく。その後シークバーの進行に合わせて「リビング&ダイニング」「バルコニー」「キッチン」など、計9つの空間を見ることができる。気になる空間があればクリックして詳細を見たり、気に入った場所に「いいね」やコメントをしたりできる。

企画の目的を、三菱地所レジデンス C・DX 企画部 末石由美さんはこう話す。「これまでマスメディアを中心に広告展開をしてきて、ある程度ブランドの認知は獲得できていました。そのため2022年のブランド戦略の一環としては、特に近い将来購入者層となりうる若年層を中心に、親和性の高いWebを中心とした媒体活動を行っていくことに。当社の先進性、サステナビリティへの意識も伝えられるような内容を希望していました」。

そんなオリエンの元、サイバーエージェントが提案したのが、「ザ・パークハウス」の仮想空間を制作し、同時にデジタルツインの冨永さんと広告契約を結び、仮想空間のアンバサダーとなってもらう、という企画だ。デジタルツインの冨永さんは、CyberHuman Productionsとサイバーエージェントの「AI Lab」が制作した3DCGモデル。冨永さん自身の声を元にしたAI音声合成技術により、音声も入力したテキストから自動生成される。その音声データから母音を推定し、声に合わせて自然な口元の動きも付けられる。

「当社がこれまで挑戦したことのない試みでしたが、ブランドの新たな見せ方ができ、『いいね』やコメントを通じて双方向のコミュニケーションができる点が良いと感じました」と、三菱地所レジデンス C・DX 企画部 中村一成さん。また...

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