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xR時代のテクニカルディレクション

最も古い「VR」言葉の定義と歴史

岡田太一

xRやメタバースなどへの注目が集まる中、広告領域でも新たなテクノロジー活用の可能性が広がっている。CGなどによるリアルタイム表現のR&Dに多数取り組んできた岡田太一さんが解説する。

1962年、アメリカの映像監督モートン・ハイリグ氏が特許を取得した「Sensorama」(Original patent for the Sensorama/Morton Heilig, Public domain, via Wikimedia Commons)。

ヘッドマウントディスプレイの使用イメージ。

最も古い「VR」言葉の定義と歴史

xRおよびビジュアライズ領域でテクニカルディレクションをしています、sync.devの岡田と申します。昨今、広告関連の企画においても無視できない存在となっている、xRを含む新しいテクノロジーについて、本稿ではテクニカルディレクションを通した目線での付き合い方の話をできればと思っています。

まず、言葉の定義の話をしましょう。xRと一口にまとめていますが、xが小文字であることには意味があります。これはxを変数として、VR、AR、MRなどの技術をまとめて呼称するための言葉になります。それぞれの言葉はマーケティング的な都合で生み出された面があり、必ずしも概念や技術的な立脚点とワードが対応していません。企画の実現可能性を考える際は、言葉に惑わされずにどんな技術の話をしているのか区別することが大切です。

今回はまずはVRから。「xR」の大元にして、最も古い言葉です。VR(Virtual Reality)は一般に仮想現実と訳されますが、この翻訳は実に罪つくりなものでした。仮想という言葉は、「実際には存在しないものを...

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