作品が放つ、愛らしくアヴァンギャルドな世界
堀内誠一絵の世界
時代をリードしたアートディレクターであり、デザイナーであり、絵本作家でもあった堀内誠一の生誕90年を記念し、「絵の世界」に注目した巡回展が開催中だ。
1932年に生まれた堀内はデザイナーとして研鑽を積み、『anan』創刊時にはロゴと表紙、ページネーションを手がけ、海外取材を実施するなど、雑誌づくりの可能性を広げた先駆者として知られる。その一方、20代半ばから『くろうまブランキー』『ぐるんぱのようちえん』など生涯にわたって60作を超える絵本を発表し、挿絵も多く手がけてきた。「絵本作家の道こそ運命が決めた本命」と堀内自身が語ったように、その54年の人生は絵を描くことと共にあった。
20世紀という時代において、絵本や雑誌などのカルチャーがいかに変遷し、発展を遂げてきたか。「絵」というヴィジュアルが持つ力をさまざまな分野で発揮させた堀内の作品世界を見つめていくと、その過程が浮かび上がってくる。
堀内誠一 絵の世界 | |
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開催中、9月25日まで |
己全体を賭けた猛烈な生きざまを体感する
展覧会 岡本太郎
あまりに多岐にわたる表現活動ゆえに「何が本職なのか?」という問いを投げかけられ、「人間―全存在として猛烈に生きる人間」と答えた芸術家 岡本太郎。
大回顧展の構成は、18歳の冬に家族とともにヨーロッパへ渡り、単身パリに残って芸術家を目指し始めた1930年代の作品を取り上げる第1章「“岡本太郎”誕生―パリ時代―」から始まる全6章。川崎市岡本太郎美術館と岡本太郎記念館の全面協力のもと、国内各地からの...