文化の源泉としての東北地方を見つめる眼
東北へのまなざし1930-1945
日本が太平洋戦争へと突き進む1930年代以降、建築家のブルーノ・タウト、民藝運動を展開した柳宗悦、デザイナーのシャルロット・ペリアンらが相次いで東北地方を訪れ、その建築や生活用品に注目する。
その後、民藝運動に呼応するように郷土玩具を収集する動きが広まり、考現学の祖として知られる今和次郎や、東北生活美術研究会を主導した吉井忠ら東北出身者たちも、故郷の人々と暮らしを見つめ直した。
本展では、これらの複層的な「眼」を6つの章立てにし、当時、後進的な周縁とみなされてきた東北地方こそが豊かな文化の源泉であることを改めて検証する。

《刺子足袋(宮城県)》1940年頃、日本民藝館

芹沢銈介『手仕事の日本』挿絵原画より《けら(陸奥)》1945年、日本民藝館

今和次郎《積雪地方農村経済調査所 雪国試験農家家屋 透視図》1937年、工学院大学図書館

ブルーノ・タウト(デザイン)、左:《卵殻螺鈿丸形パウダーケース》、右:《卵殻螺鈿角形シガレットケース》いずれも1934年、群馬県立歴史博物館

勝平得之《秋田風俗人形》昭和初期、秋田市立赤れんが郷土館
東北へのまなざし1930-1945 | |
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(前期)開催中、8月21日まで(後期)8月23日〜9月25日 |
紙や文字から着想を得た創作の思考に触れる
立花文穂展 印象
IT'S ONLY A PAPER MOON
活版による印刷物や大判カメラで撮影した写真、ブロンズによる彫刻など、「文字」を基軸にした作品制作と同時に、多種多様な印刷物や本のグラフィックデザインなど、さまざまな領域を横断しながら活動を続ける立花文穂。その原点には、実父が営んできた製本所や子どもの頃から親しんだ書といった、“紙に触れること”や“文字を書くこと”があった。
本展は、四半世紀にわたる...