PACKAGE
リラ「Higashikawa Sparkling water」

- 企画制作/リラ
- AD/岡本健
- D/紺野達也
北海道のほぼ中央に位置する人口約8000人の町、東川町。上下水道がなく、生活水として大雪山連峰「旭岳」の雪解け水を使用している。この豊かな自然の恵みを広めようと、4月から雪解け水を使った瓶入りの炭酸水「Higashikawa Sparkling water」(340ml)が発売された。販売元は、旭川空港内で土産店を運営する地元企業・リラ。アートディレクター 岡本健さんがパッケージのデザインを手がけた。
岡本さんは2017年から隣町の東神楽町の仕事に携わり、当時からリラの代表・佐藤孝一さんと交流があった。東川町の地域資源を活用した商品を企画する中で生まれたのが、この炭酸水だ。東川町の水自体は販売されていたが、炭酸水の商品化は今回が初となる。「展開するにあたり、湧き水の取水地やボトリングの工場への見学に同行し、コンセプトの構成にも参加しました。商品名も提案し、デザインは1年ほどかけてつくり上げました」(岡本さん)。
炭酸が弾ける刺激で非日常感を楽しめるのはスパークリングウォーターならでは。一方で土産品としてだけでなく、地元の人々も日常的に楽しめるよう、親しみやすいデザインに仕上げた。瓶の形状の選定に加え、ラベルの位置も熟慮。手に取ったときに炭酸水そのものに注目してもらえるよう、通常の瓶入り飲料に比べて下部に配置されている。ラベル自体は余白を多めに。雪解けをイメージした白いマットな素材をベースに、シンプルなオリジナル書体を用いたロゴを重ねた。流れるように旭岳の稜線をなぞったロゴデザインは、東川町らしさを象徴している。
商品は「Basic」と、より炭酸の爽快な刺激を味わえる「Strong」の2種類。それぞれ緑、赤がキーカラーとなっている。少しくすんだ「Basic」の緑は、夏の旭岳に見られる緑色の山肌をイメージしたそうだ。
現在は東川町や旭川空港、ECサイトやふるさと納税での販売のほか、ホテルや飲食店向けの取引も開始。6月に旭川市周辺で開催された「あさひかわデザインウィーク」など、イベント会場での導入例も増えてきた。今後は他の地域の素材を使用したフレーバー入りの炭酸水などの横展開も視野に入れている。
BOOK
スタニスワフ・レム(著)、後藤正子(訳)『マゼラン雲』
(国書刊行会)

- 装丁/水戸部功
国書刊行会は4月、SF作家のスタニスワフ・レムの代表作を集成した作品集『スタニスワフ・レム・コレクション第Ⅱ期』の第3巻『マゼラン雲』を発売した。同コレクションは全6巻と別巻からなる計7巻で、2021年9月に第1巻『インヴィンシブル』が、同12月に第2巻『地球の平和』が...