気になるあのCMの演出やキャスティングについてディレクターにインタビュー。今月取り上げるのは、「ENEOS 新車のサブスク」のCMだ。
「引き算」で際立つ異様さ
車のボンネットに耳を付けた状態で90度傾いた藤原竜也が「ENEOS 新車のサブスクはごっつやさしいでー」と関西弁で語る、異様なシーンからCMは始まる。カメラが引くと、どうやらガソリンスタンドに通りかかった親子に、藤原さんが「ENEOS 新車のサブスク」の魅力を話している様子。体を曲げて足先と耳のみで自重を支える不思議な姿に、親子もちょっと引いた表情。ひと通り話した後、スッとスマートに立ち上がり「って、車が言っています」と藤原さん。車の気持ちを代弁していたらしい。息子は恐れを感じたのか、空気に耐えきれずか、母に抱きつき助けを求める。
「ENEOS 新車のサブスク」は2021年4月から開始した車のサブスクリプションサービス。ENEOSのサービスステーションを販売拠点としている。本CMは、4月16日にオンエアをスタートした。
演出を手がけたのは、TYO WHOAREYOUのディレクター佐藤渉さん。「数多あるテレビCMの中で目立つよう、引き算を意識して演出しました」と話す。たとえば、藤原さんの演技。異常な体勢をとりながらも、本人は過剰なリアクションはせず、一貫して“低温”な...