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デジタルファブリケーションで広がるデザインの可能性

3Dプリントのつくり方と形

平本知樹

3Dプリンティングをはじめ、デジタルデータをもとにした創作技術「デジタルファブリケーション」。これらは広告・デザイン領域の可能性をいかに広げていくのか。TOKYO2020の表彰台プロジェクトなどを手がけた、平本知樹さんが解説する。

(01)3Dデータをスライスし、3Dプリントするプロセス。

(02)鳥籠形状のサンプル。

(03)有機的な形状のトロフィー。

(04)ヒンジ構造を内包し、自重で拡張するランプシェード。

3Dプリントのつくり方と形

3Dプリンタは3Dデータを元に形状をつくりますが、造形時には3DデータをZ方向にスライスして、一層ずつ重ねていきます。そのつくり方から「積層造形」ともいわれています(01)。あるひとつのレイヤーにおいてはXY平面の動きなので、いわゆる平面のプリンタと同じ動きになります。これに高さ方向を足したものが3Dプリンタです。平面のプリンタの動きや精度は長年培われてきているので、いかに高さ方向に細かく造形できるかが精度に大きな影響を与えます。

素材や積層方法により一層の薄さ(=精度)やできる形状・できない形状がありますが、「下から一層ずつ造形していくこと」により切削加工などの他の工法ではつくりづらい形状をつくることもできます。コンピュータの計算能力の発達により、映画『モンスターズ・インク』では毛がフサフサのモンスターをCGで表現することができたように(それ以前の『トイ・ストーリー』などはツルッとしたキャラクターが多いですよね)、3Dプリンティングの発達により普及し始めているいくつかの特徴的な形状を紹介しようと思います。

ひとつ目は...

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