新たな女性像を生んだクリエイションの魅力
ガブリエル・シャネル展
Manifeste de mode
「20世紀で最も影響力のある女性デザイナー」といわれるガブリエル・シャネルの回顧展が32年ぶりに開催。本展はファッションの殿堂、ガリエラ宮パリ市立モード美術館での展示を再構成した国際巡回展。
婦人用の帽子デザイナーとしてキャリアをスタートさせたガブリエル・シャネルのシンプルかつ洗練された服は、体を締めつける何層もの下着やコルセットから女性たちを解放し、実用性と快適さ、そしてエレガンスを与えながら、1920年代の新しい女性像の流行を先導してきた。
そんな1920年代の衣装作品からシャネルのスーツ、リトル・ブラック・ドレス、イヴニング・ドレスなど、それぞれの時代を代表する服飾作品に加えて、“現代女性の目に見えないアクセサリー”として世界で最も売れた香水「シャネル N°5」、1955年2月に誕生した「2.55」バッグやバイカラーの靴、イヤリング、ネックレス、ブローチ、指輪などを展示。
さらに当時の記録映像を通して、新しい時代を切り拓いてきたガブリエル・シャネルのクリエイションの魅力に迫る。
ガブリエル・シャネル展 Manifeste de mode | |
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開催中、9月25日まで |
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