現代アートを通じて生の本質を見つめ直す
地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング
目に見えない新型コロナウイルスによって世界中の活動が急停止し、人々の日常生活や心境は大きく変化せざるを得なくなった。さらに、パンデミックは社会に横たわるさまざまな問題、分断や衝突を可視化し、私たちは国や人種、宗教といった枠組みだけでなく、地域や家庭などより身近な環境や生き方をも直視させられている。
本展では、現代アートに込められた多様な視点を通じて、あらゆる定義や前提が揺るがされたパンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、「生きることとはなにか」など、人間の生を本質的に問い直すと同時に、未来の可能性を提示する。
作品の素材やスケールを体感しながらアートと向き合えるよう、リアルな空間での体験を重視した構成となっており、本展のタイトルにもなったオノ・ヨーコのインストラクション・アートをはじめ、彫刻や映像、写真、絵画など、国内外で活躍するアーティスト16人の作品を紹介する。
自然と人間、個人と社会、家族、繰り返される日常、精神世界、生と死......など、生や実存に結びつく主題を扱った作品群は、鑑賞者にとってのウェルビーイング、すなわち「よく生きる」ことへの観察と考察を促すはずだ。

《ヘーゼルナッツの花粉》を展示するヴォルフガング・ライプ 豊田市美術館(愛知)2003年 Courtesy:ケンジタキギャラリー(名古屋、東京) 撮影:怡土鉄夫 ※参考図版

ギド・ファン・デア・ウェルヴェ《第9番世界と一緒に回らなかった日》2007年 ハイビジョン・ビデオ・インスタレーション 8分40秒 Courtesy:Monitor,Rome;Grimm,Amsterdam;Luhring Augustine,New York 撮影:ベン・ゲラーツ

飯山由貴《海の観音さまに会いにいく》2014年 ビデオ、スライド 撮影:宮澤響 ※参考図版

ツァイ・チャウエイ(蔡佳葳)《子宮とダイヤモンド》(部分)2021年 手吹きガラス、鏡、ダイヤモンド 300×600cm 展示風景:「ツァイ・チャウエイ:子宮とダイヤモンド」リブ・フォーエバー財団(台中)2021年
地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング | |
---|---|
開催中、11月6日まで |