デザイン・アート・広告賞今月の展覧会&コンペティション
ザ・トライアングル 彦坂敏昭:砂のはなし
人が他者や事物をわかる(わかり合う)状況に強い関心と疑問を持ち、「拾う」「描く」「歩く」などの異なるアプローチから、他者や事物との協働や対話に取り組んできた彦坂敏昭。2015年には、ポーラ美術振興財団在外研修員としてイギリスとアイスランドに滞在した。本展では、日常的でありながら、変幻自在で捉えどころのない「砂」に着目。実際に砂場が用意されており、鑑賞者は実際に砂の手触りを確かめ、歩くことができる。展示空間でひらかれる、すれ違いながらも重ねられた他者や事物との協働や対話は、鑑賞者との間に繋がりの磁場を発生させることだろう。
ザ・トライアングル 彦坂敏昭:砂のはなし | |
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京都市京セラ美術館 開催中、9月25日まで 月曜休館(ただし、祝日の場合は開館) お問い合わせ→ 075-275-4271 |
いわさきちひろと奥村まこと・生活と仕事
愛する家族との生活をいとおしみながら、自らの意志で仕事をしたいわさきちひろと、女性として初めて東京藝術大学の建築科に入学した奥村まこと。この2人は、結婚、子育てをしつつ自立した女性の先駆けであるという共通点を持つ。自らの日常や暮らしを楽しみながらも仕事を存分にした生き方にフォーカスし、2人が出会った「黒姫山荘」や伊豆のアトリエ、まことの拠点である練馬での暮らしを起点に、仕事と生活への想いが見える資料、作品などを「ことば」や「スケッチ」とともに展示。女性として、そして人間として積極的な、それぞれの生きざまを感じられるだろう。
いわさきちひろと奥村まこと・生活と仕事 | |
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ギャラリーエークワッド 6月3日〜9月8日 日曜、祝日および8月15日〜20日休館 お問い合わせ→ 03-6660-6011 |
富山県美術館開館5周年記念 宮城県美術館所蔵絵本原画の世界2022 こどものともー『ぐりとぐら』も、生まれた場所。
上質な美術体験を与える絵本づくりを目指して、福音館書店から1956年に創刊された「こどものとも」。画家や彫刻家、漫画家など幅広い分野の作家たちが絵を寄せるなど、当時類のない月刊絵本として刊行を重ね、誰もが知る名作絵本の数々を生み出した。本展では、宮城県美術館が所蔵する初期の原画コレクションから選りすぐって34作家、約350点の貴重な絵本原画を紹介。子どもから大人まで広く親しまれる、日本の絵本の原点と歩みを、魅力あふれる原画の数々で堪能することができる。
富山県美術館開館5周年記念 宮城県美術館所蔵絵本原画の世界2022 こどものともー『ぐりとぐら』も、生まれた場所。 | |
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富山県美術館 開催中、7月5日まで 水曜休館 お問い合わせ→ 076-431-2711 |
歌枕 あなたの知らない心の風景
繰り返し和歌に詠まれることによって、特定のイメージが結び付けられた土地「歌枕」は、そのあと美術とも深い関わりをもって展開した。歌枕が日本美術の内容を豊かにしてきたものであると、展示される名所絵や工芸品から気付かされるだろう。和歌や古典が生活の中に根付いていない現代を生きる私たちにとって、歌枕はもはや共感することが難しいかもしれない。本展は、かつては誰もが思い浮かべることのできた日本人の心の風景、歌枕の世界を紹介し、日本美術に込められたさまざまな思いを再び共有することを試みる。
歌枕 あなたの知らない心の風景 | |
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サントリー美術館 6月29日〜8月28日 (作品保護のため、会期中展示替えあり) 火曜休館(8月23日は18時まで開館) お問い合わせ→ 03-3479-8600 |