気になるあのCMの演出やキャスティングについてディレクターにインタビュー。今月取り上げるのは、大日本印刷(DNP)の新CMシリーズだ。
「対談」を「トークショー」に演出
「同じDNPでも、開発分野は人それぞれ」。そんな司会者役の濱田岳さんの掛け声と共に始まる、トークショー風のCM。オープニングのジングルが流れ、観客の拍手と歓声が上がる。舞台に登場するのは大日本印刷(DNP)の社員、市村公二さん(ファインオプトロニクス事業部)と山廣弘佳さん(情報イノベーション事業部)。自身の開発について「山廣さんもご存じの半導体......」と話し始める市村さんに、「いいえ、全然」とキレの良い返事をする山廣さん。社員が互いの開発分野を知らないことを逆手にとり、多岐にわたるDNPの事業内容を紹介するテレビCMシリーズだ。
監督を務めたのは垣内美香さん。当初の企画では社員の対談を濱田さんが見守るという設定だったが、そこに「トークショー」の要素を足した。ちなみにこの2人は役者ではなく、実際に各部署で働いている社員。DNPの社内で選出された。「単なる対談というよりトークショーという間口を設けた方が、視聴者の方々も取っ付きやすいかなと考えたんです。司会者の名を冠したようなアメリカのトーク番組を...