2001-2022 ブランデッドコンテンツ20年史
2000年代に登場した「ブランデッドコンテンツ」。企業の広告そのものの位置付けが変化を遂げる中、その定義や役割はどのように変わってきたのか。
物語の力で共感を呼ぶ 企業のブランデッドコンテンツ活用
カーナビなど車載ソフトウェア開発を手がけるミックウェアは1月、6月にローンチする神話伝承アプリ「たまむすび」のブランドムービーを公開。愛知県犬山市の名所を巡りながら、同社が提唱するインナーツーリズムの価値を伝えるロードムービー仕立ての内容だ。
ミックウェアの神話伝承アプリ「たまむすび」のブランドムービー 「ぼくとおじさんの小旅行」(6分8秒)。
動画の主人公は、学校をサボりがちな少年。ある日「突然だけど旅に出よう」と伯父に連れられ、家から片道1時間の愛知県犬山市に小旅行に行くことに。青塚古墳や大縣神社の「むすひ池」を巡る2人。少年は、実は身近な場所にも不思議な神話や伝承があることを知り、外の世界への興味を徐々に膨らませていくのだった──。
ミックウェアは、「お出かけを『便利に』『楽しく』『安全に』」をビジョンに掲げる車載ソフトウェアを取り扱う企業だ。現在新事業として神話伝承アプリ「たまむすび」のようなBtoC向けのサービス開発を進めている。同社イノベーションラボ東京のプロデューサー 平田洋一さんは「カーナビの会社から、ツアーを提供できる会社へ移行していきたいという思いがありました。そこで『たまむすび』の提供する価値や、『知る、学ぶ、探索する』といった知的好奇心を満たす旅である“インナーツーリズム”を提唱するための動画を制作することにしたんです」と話す。