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名作コピーの時間

戦略と表現が一体となった、師匠のコピー

田中大地

    全てのゲームは、ここに集まる。 プレイステーション

    ソニー・コンピュータ エンタテインメント/1994年
    〇C/松井正徳、小霜和也

    いくぜ、100万台。

    ソニー・コンピュータ エンタテインメント/1995年
    〇C/小霜和也

    カーーーッ。

    サントリー/2003年
    〇C/黒須美彦、小霜和也

たまに見る悪夢がある。雑巾を絞るように書き抜いた渾身のコピーの束をおそるおそる差し出すと、上から3枚だけ見てもらえたあと、「この中には、ない。」と、残りの束ごとゴミ箱に投げ捨てられる夢だ。

言葉の主は、師匠の小霜和也さん。12年前は、この悪夢が日常だった。朝昼晩と、1日3回やってくるコピー提出の恐怖の時間。僕の感覚はこの時代に麻痺してしまったままで、いまだにどんな偉い社長さんやCMOへのプレゼンでも、緊張しなくなった。27歳の未経験ど素人の自分を採用してくれた小霜さんは師匠であり、雇用主であり、人生を左右する神だった。もっともその神に入信したのは、戦略と表現が一体となった彼のコピーに心酔していたからで。

「全てのゲームは、ここに集まる。プレイステーション」。ゲームのイメージがゼロだったソニーの...

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