伊勢丹「ハッピーエンド始まる。」(1990年、眞木準)他
下心あってこの機会にコピー年鑑を一気読みすることにしました。よく新人コピーライターはコピー年鑑を写経するものだといいますが、僕にそんな経験はなくこれまでじっくり読んだことがなかったのです。むしろこの本を開くと嫉妬したり傷付いたり精神衛生上悪いような気がして敬遠していました。
ソニー・コンピュータ エンタテインメント/1994年
〇C/松井正徳、小霜和也
ソニー・コンピュータ エンタテインメント/1995年
〇C/小霜和也
サントリー/2003年
〇C/黒須美彦、小霜和也
たまに見る悪夢がある。雑巾を絞るように書き抜いた渾身のコピーの束をおそるおそる差し出すと、上から3枚だけ見てもらえたあと、「この中には、ない。」と、残りの束ごとゴミ箱に投げ捨てられる夢だ。
言葉の主は、師匠の小霜和也さん。12年前は、この悪夢が日常だった。朝昼晩と、1日3回やってくるコピー提出の恐怖の時間。僕の感覚はこの時代に麻痺してしまったままで、いまだにどんな偉い社長さんやCMOへのプレゼンでも、緊張しなくなった。27歳の未経験ど素人の自分を採用してくれた小霜さんは師匠であり、雇用主であり、人生を左右する神だった。もっともその神に入信したのは、戦略と表現が一体となった彼のコピーに心酔していたからで。
「全てのゲームは、ここに集まる。プレイステーション」。ゲームのイメージがゼロだったソニーの...