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アーティストとしてのパワーをなかったことにしてはいけない──西川友美さんの仕事

柿木原政広(10inc.)

『いま めが あったよね?』というタイトルの絵本が届いた。ページを繰っていくと、豊かな色彩と線画の世界に惹き込まれる。描いたのは西川友美さん。昨年、病に倒れて帰らぬ人に──彼女の手がけていた仕事や展覧会が、この春、次々と登場する。伴走するかたちでかかわってきた10inc.の柿木原政広さんの話を聞いた。

『いま めが あったよね?』(ブロンズ新社) 。

グラフィックデザイナーからアーティストへ

現在八戸ブックセンター(青森)で「いま めが あったよね?」展が開催されている(5月8日まで)。また4月29日からは青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]で「ちょもらんま」展が始まる(6月26日まで)。ともに、生前から進んでいた話を柿木原さんがサポートするかたちで実現させた。

西川さんは、1987年青森県八戸で生まれ、2011年、10inc.に入社した。2018年には第19回1_WALLグラフィックでグランプリを、2020年にはJAGDA新人賞を、2021年には、2020ー2021東京ADC賞を受賞。グラフィックデザインを軸にしながら、西川©友美(にしかわ・ちょも・ともみ)としてアーティスト活動もしていた。

「グラフィックデザインの仕事を整理しながら、アーティストとしての活動に軸足を移していこうという最中、病に倒れてしまったのです。ちょもの持っていたアーティストとしてのパワーをなかったことにしてはいけないと、動いていた仕事を止めず、続けようと考えました」と柿木原さん。「続けましょう」という柿木原さんの声に、プロジェクトメンバーも賛同したという。

「素晴らしいサポート部隊!」と口にしたら、「これからアーティストとしての才能が開けていくところで、海外も含めて一緒に活動していけるのを楽しみにしていました。彼女がいたという事実に変わりないわけですから、中止するのではなく実施するのは当たり前のこと。前に出る気はまったくないのです」ときっぱりだった。

八戸ブックセンターで開催中の「いま めが あったよね?」展。

「ちょもらんま」展と「いま めが あったよね?」展

展覧会に向けた作品を...

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