フジテレビジョン/映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』
「ダー子から新成人への手紙『素直とは疑うこと』」
新聞
映画『コンフィデンスマンJP』シリーズは今作で3作目となり、公開に先立ち新しい宣伝展開をしたいと撮影時から思っていました。そこで立てたコンセプトは、ちょっと古式ゆかしいけれどSNSの世界で再評価されている“コラボ”。一方的に宣伝するのではなく、映画が別ジャンル、別世界と相互乗り入れするキャンペーンを目指すことに。
「ローカルヒーロー祭」や人気アパレル「WIND AND SEA」、アプリゲーム「青鬼オンライン」などさまざまなジャンルと映画がコラボしました。「ダー子から新成人への手紙」もその一環です。純粋な創作物である映画と広告クリエイターさんは存在が近接しながら、どこか異文化、異種な印象をお互いに持っているような気がしていました。それを逆手に取ってみると、意外で面白い宣伝ができるのではと思い、アプローチした結果のひとつがこの広告です。
いただいたコンセプトや文案を基にキャラクターらしいワーディングに仕上げたり、実際、映画内で使用している「ダー子」の筆跡をそのまま原稿にしたり。なかなか楽しいものになりました。
ただ単純なメッセージではなく、ある仕掛けを忍び込ませるアイデアはさすが広告らしいと思いましたし、映画のテーマをよく理解してもらっているなあと嬉しかったです。多くの皆さんの話題となってくれてコラボは大成功です。
(フジテレビジョン 映画プロデューサー 成河広明)
ご相談いただいたときにまず思ったのは、放っておいても間違いなくヒットする映画であり、僕らがお力添えするとしたら、王道の映画宣伝の外側にあるアイデアでそのヒットを加速させることができないか、ということでした。
1月14日の映画公開直前の、1月10日の「成人の日」というモーメントに、新聞というパブリックな場でダー子から新成人へメッセージを送る。時代をとらえた胸熱なメッセージの奥に、さらにダー子らしい仕掛けがあれば、二重の感動をきっかけに、ファンから話題がブーストすると考えました。
まず仕掛けは、世界を斜めに楽しむダー子らしく、手法的なニューネスもある「斜め読み」に。難しかったのはメッセージづくりです。仕掛けに溺れず、深く心に届かなければならない。これまで培われてきたダー子らしさをそのままに、時代をとらえ、新成人に何を伝えるのか、成河さんと何度も議論を重ねました。
「見方によっては、世界って面白いじゃんって、そういうことを伝えたい」成河さんのそんな意志が言葉たちを導いてくれたと思います。伝えたいことと、斜め読みのはざまで、行ったり来たりしながらなんとか着地できた快感、ファンの皆さんが楽しんでくださっている喜びは得難いものがありました。
(電通 zero クリエイティブディレクター 見市沖)
- 企画制作/電通+アドブレーン
- CD+C/見市沖
- AD/井本善之
- D/佐藤光、長谷川愛美
- CPr/谷澤良治、岸浪卓志
- Pr/稲留福太郎
- PM/佐藤憲将
- 撮影/高梨遼平
- レタッチ/笹崎彩
- PRプランナー/根本陽平
- 掲載/産経(1/10)