静かで穏やか、そしてアヴァンギャルドなデザイン
東京・港区にある「21_21 DESIGN SIGHT」で「Material,or」が開催されている(11月5日まで)。この展覧会のディレクターを務めた吉泉聡さんと話していて、会場構成を手がけた建築家の中村竜治さんの視点に惹かれ、話を聞きに行った。
家具を中心としたライフスタイルを提案している「Time & Style」が、2021年12月、大阪の南船場に関西初のショールームをオープンした。そして4月には、イタリア・ミラノにもショールームを構えるという。ブランドを運営するプレステージジャパンの代表取締役 吉田龍太郎さんの話を聞いた。
2021年12月に大阪にオープンした関西初のショールーム「Time & Style Osaka」。
現在「東京ミッドタウン」や「伊勢丹新宿本店」「玉川髙島屋S・C」などでショールームを展開している「Time & Style」は、1997年に自由が丘に出店し、家具ブームの先陣として脚光を浴びた。代表を務める吉田龍太郎さんの話はいつも、穏やかな語り口ながら、日本のモノづくりに及ぶと止まらなくなる。「海外でも十分に通用する価値を備えている」という強い意思をもって、伝え広めることに力を注いできた。
手がけているテリトリーは家具にとどまらない。「暮らしの中で使ってもらう」ことを前提に、器類をはじめ、布類や盆栽など、ライフスタイルを取り巻くさまざまなものに及んでいる。精緻な手仕事を活かしながら、暮らしの中で使われ、息づくものを生み出してきたのだ。「そこまでこだわらなくても」というものもあるのだが、使ってみると「こだわってつくった」良さがわかる。“使い手”の視点に立って“つくり手”とかかわるから、こういうモノづくりがなされるのだと思う。
一方、海外に向けた発信活動をたゆむことなく続けてきた。数々の見本市への出展をはじめ、2017年にはオランダのアムステルダムに約900平米のショールームを構えている。2020年には、イタリアのインテリアブランド「Boffi|DePadova」とパートナーシップを組み、「Time & Style ēdition」という家具コレクションを立ち上げた。現在、世界65にも及ぶ都市で展開されているという。日本のモノづくりが世界に伝わっていっている――有言実行でここまで持ってきた仕事ぶりを仰ぎ見られずにはいられない。
オランダ・アムステルダムのショールーム。
2022年4月にオープン予定のイタリア・ミラノのショールームの様子。
メイドインジャパンにもこだわってきた。「スタート時は西欧への憧れもあり、エッジが立ったデザインを主体としていました」...