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脱炭素社会へ 企業価値を提示するクリエイターの役割

脱炭素への行動を緩やかに促すプラットフォーム

NTTドコモ「カボニュー」

NTTドコモは2021年9月28日、「2030年カーボンニュートラル宣言」を発表した。そこで発表されたのが、「カボニュー」の構想。アクセンチュアと連携し、あらゆる人々が脱炭素化に積極的に取り組めるような場づくりを進めている。

onehappy アートディレクター 小杉幸一さんがデザインしたキャラクター「カボニュー」。CO2を吸い込んでいく存在。カボニューは同時に、今回の取り組みの総称でもある。

生活者や企業と共に行動に移す場

NTTドコモが2030年までのカーボンニュートラル化達成を目指す「2030年カーボンニュートラル宣言」で、CO2削減のための取り組みとして挙げられたのは、①5Gなどネットワークの消費電力の削減、②再生可能エネルギーの調達・導入、③次世代通信基盤構想「IOWN」などの開発による通信の高速・省電力化。これら3本の柱に加えて紹介されたのが「カボニュー」の構想だ。「生活者やパートナー企業と共に、地球をカーボンニュートラルにする取り組み」と位置付けられ、それを促進する場としてプラットフォームを制作している。

「ドコモは生活者の方々との接点が特に多い企業です。だからこそ、幅広い方々に向けてより直接的に、脱炭素への行動を促す取り組みができるのでは、と考えていました」と、同社 経営企画部 コーポレートエバンジェリスト 濱名健一さんは話す。「カボニュー」の特徴は、ドコモによる取り組みとしてプラットフォームを提供するのではなく、ドコモはあくまでそれをサポートする立ち位置であること。ドコモも含め、生活者一人ひとりや企業が参加し、共に行動し、脱炭素を目指すような場であることだ。

「宣言」の少し前、生活者に向けた取り組みのアイデア出しの段階からアクセンチュアも参加。「カボニュー」の構想や、記者発表時の資料のストーリーづくりなど、両社の共同で事業デザインからコミュニケーションまで一貫して企画している。

アクセンチュアでは国内外の企業の脱炭素への取り組みを多数手がけている。自社と自社が関係する他社を含めたサプライチェーン全体の排出量を社内外で削減する、という脱炭素化のスキームも多いが、「今回はドコモが生活者一人ひとりに呼びかけて共に脱炭素への行動を促す取り組みという点で、特異性のあるものだと思います」とアクセンチュア ビジネスコンサルティング本部 唐澤鵬翔さんは話す。

「2030年カーボンニュートラル宣言」の記者発表でも公開した、「カボニュー」の構想の動画より。「カボニューがたくさんいるのもポイント。“ドコモが提供するプラットフォーム”ではなく、ドコモも生活者や企業の一部となって、皆でカーボンニュートラルを達成する、というのが今回の構想です」(NTTドコモ 経営企画部 濱名健一さん)。

誰もが自然に参加したくなる場づくり

プラットフォーム自体の具体的な内容は今後公開されるが、ドコモのさまざまなサービスと連携して脱炭素への貢献度が示されたり...

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