NECパーソナルコンピュータのPCブランド「LAVIE(ラヴィ)」は若年層や往年のファンに向けた15分のブランドムービーを制作した。仏語で「人生」を意味するブランド名にちなみ、タイトルは「C’EST LA VIE」。CONNECTIONの白石剛浩さんが監督を務めた。
「会話を通して人間味を出す」映像に
主人公は、駆け出しのファッションデザイナーとして働くユキ(アユニ・D)。リモートワークが続き、PC越しのクライアントとのやりとりもうまくいかない。夢見ていたはずの仕事にも行き詰まっていた。理想と現実に葛藤する日々が続く中、ユキは路上ミュージシャンの姉・エリ(イマムラキョウカ)のすすめもあり、デニム工場で職人として働くおじいちゃん(仲義代)のもとをふと訪れる──。
15分間のムービーで特に大きな事件が起きるわけではない。ユキは家族とのやりとりを重ねるうちに、何気ない毎日や日常のその先にある希望を少しずつ見出していく。その傍らには仕事に欠かせないツールとして、あるいは家族とのコミュニケーションツールとして「LAVIE」が寄り添っている、というストーリーだ。
自分自身の生き方に悩む若い女性を主役に据えた今作品。NECパーソナルコンピュータの田神千津子さんは、「自己肯定感が低いといわれる若者たちに向けた、LAVIEブランドからのメッセージです」と意図を明かす。
特に近年、LAVIEブランドに対する若年層の認知が課題となっていた。「国内メーカーならではの製品開発における細部へのこだわりや、クラフトマンシップへの熱量を持っているものの、若年層には伝わりきっていない。そこで自分ごと化できるようなストーリーを設計し、若年層に親近感を持ってもらえるムービーを目指しました」と同社の越智道夫さんは説明する。
一方で、若年層だけでなく、従来の「LAVIE」ファンに受け入れられる内容であることも重視した。劇中では最新タブレット「LAVIE Tab T12」が登場するが、往年のファン心をくすぐるように、祖父の家ではNECの歴代パソコンの名機「PC-98」が映り込むシーンも。「監督がブランドの想いを100%理解してくれたからこそ実現した」と田神さん。デニムづくりに没頭する祖父の姿も、NECが貫いてきたクラフトマンシップと重ねて描いている。
監督の白石剛浩さんが全編にわたりこだわったのが、「会話を通して人間味を出す」ということ。主人公のユキ役は「不器用だが意志の強さを感じさせる正直者」というイメージに当てはまる人物を探した結果、行き着いたのがBiSHのメンバーであるアユニ・Dだった。「求めていたのは芝居としての上手さではなく、視聴者が共感する人間味や温度感。どんな役者が演じるよりも、若者の葛藤を表現していてリアリティがあった」と、その理由を語る。
動画は2月7日にWeb上で公開。社内外の評判も上々で、社内からは「LAVIEというブランドを誇らしく感じた」という声もあがっている。「自分を否定するのではなく、他者と比べるのではなく。外部からの心地よい刺激を受けながら、自分自身と向き合ってほしい。そのハブになるのがPCであり、毎日の日々や生活に寄り添いながら、何かしらの気付きや学びを与えるきっかけになれば。そんな『LAVIE』ブランドの想いを表現したストーリーになっています」(田神さん)。
「C’EST LA VIE」完成までの流れ
NECパーソナルコンピュータとCONNECTIONの打ち合わせ
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プレゼン
ディスカッション
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ブラッシュアップ
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コンテで再プレゼン
ディスカッション
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最終案を決定
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撮影
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試写・完成
白石剛浩(しらいし・たかひろ)自主制作映画からキャリアをスタート。ダイナミックな映像演出と日本人離れした色彩センスを用い、MV・CM・Web・ドキュメンタリーなどジャンル・手法にとらわれず活躍の場を広げている。 |
- 企画制作/CONNECTION+ピラミッドフィルム
- 演出+脚本/白石剛浩
- Pr/河野将太
- PM/花輪秀
- 撮影/光岡兵庫
- 照明/高橋朋裕
- 美術/福島奈央花
- 編集/瀧田隆一(オフライン)、八十島崇行(オンライン)
- 音楽/氷室良晃
- MIX+MA/戸村貴臣
- ST/武久泰洋
- HM/貝谷華子
- 特殊造形/メイクアップディメンションズ
- CRD/小山祐司
- CAS/森正祐紀
- ロケ地・スタジオ/岡村織物、プラネアール青梅スタジオ、西新宿マンションスタジオ
- 出演/アユニ・D、イマムラキョウカ、仲義代、Alex J.D
今回制作されたムービーは、NECパーソナルコンピュータのYouTube公式チャンネルで公開中です。