近年、ベンチャー企業によるOOH活用を目にする機会が増えてきた。2017年にTWOが発売した「BARTH(バース)」は中性重炭酸泉の研究から生まれた入浴剤ブランドだ。「BARTH」では20年の夏季から定期的にOOHを中心とした施策を展開している。「睡眠投資プロジェクト」「#疲れが見えたら重炭酸」といった事例から、同ブランドならではのOOHの活用法を聞く。
体験機会をつくるピールオフ広告
「BARTH」の1回分は3錠330円と、入浴剤の中では高価格帯となる。そのためブランド発足当初は、感度の高い女性をコアターゲットとして美容への効能をメインにアピール。その後、長期目線でのブランディング施策へとシフトしTwitterを主戦場としたコミュニケーションを行っていた。プレゼントキャンペーンなどトライアルの機会づくりのための施策を継続した結果、一定の成果が。そこで次なるステップとして2020年8月24日から実施したのが「睡眠投資プロジェクト」だ。
そのうちのメインの施策が、同日から30日にかけて渋谷駅のコンコース地下1階「道玄坂ハッピーボード」で掲出した22メートルのOOHである。働く人々や家族など12組が布団で眠る姿が並ぶビジュアルに、お試し用の製品をピールオフとして付けて掲出した。
TWOのコミュニケーション企画に携わってきた、同社のPRマネージャー 武田瞳さんは「『睡眠投資』という言葉にしたのは、ビジネスパーソンの方々に興味を持っていただきたかったためです。当時サロンやビジネス本など、自己投資への注目が集まっていて、学びや趣味に投資をする方は多いですが、自分のパフォーマンスを上げるために質の良い睡眠をとる、という“投資”もあってもいいのではと考えました」と説明する。
OOHはサンプル製品をはがしていくと、「睡眠投資」の効果として「やる気が持続する(1.8倍)」「仕事の満足度が高い(2.0倍)」といったデータが見られるようになっている。「OOHを活用したのは、より多くの方々と商品が出会う機会をつくることができ、ピールオフであれば体験機会も創出できると考えたためです。それまでのSNSでの施策の結果から、『BARTH』は1度使っていただければ良さを感じていただけるという自信もありました」(武田さん)。
同年12月14日から27日にも、「睡眠投資プロジェクト」の第2弾として、東京メトロ新宿駅の「メトロプロムナード」にさまざまな職種や年代の31人の...