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リサーチ主導のデザイン

デザイナーは「創造主」のような仕事

山崎みどり

デザイナーの活動領域は無限だ。アディダス、ナイキなどのアートディレクターを経て、現在は東京大学生産技術研究所に所属する山崎みどりさんがデザインと周辺領域の融合について解説する。

デザイナーは「創造主」のような仕事

いろいろなバックグラウンドの方とお会いしたときに、デザイナーって何してるの?とよく聞かれるのですが、デザインって何?という質問と同じくらい、説明が難しいと感じます。それぞれデザイナーに対しての先入観があるのか、雑談の中で私がお笑い芸人のラジオのヘビーリスナーだと知ると、思いのほか驚かれたりします。

デザイナーが何をしているのかを客観的に整理してみると、まずは基本的な推論パターンを使って問題解決をしていますよね。何かに対して既に正しいと証明された、一般論やルールなどの事例や事実を組み合わせて結論を出しているわけです。たとえば空には星があること、そしてその星の動きの自然法則を知っていれば、ある時点での星の位置を予測することができます。

もしくは、何かに対して、複数の事例から共通点を探して、それをもとに結論を導き出しています。たとえば、空に星があるのは知っていて、さらになぜか星はいつも決まった場所になく、移動していることがわかっている場合、星が移動する原理について仮説を立て、実験・観察を通して、星の動きの原理を突き止めることができます。

そして特に、仮説を立てて証明する、アカデミック分野における創造的なプロセスをデザインする際に応用したリサーチ主導のデザインについて、今まで紹介してきたのですが、デザインは他の分野と比べて一点大きな違いがあります。それは、デザインは何かに対して価値を創造する...

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