ぼっち・努力・コピー
コピーライターになるとは1ミリも考えていなかった二十歳の頃。「絶対いやだ!働きたくない!!怖い!社会が怖い!!」などと某ぼっちのようなメンタルで引きこもりニート生活を送っていました。
サントリー/1988年
〇C/鈴木聡
全日本空輸/1970年代
〇C/土井徳秋
味の素/1993年
〇C/鈴木聡
毎日毎日、原稿用紙に向かってコピーを書いていた。一日何本書いただろう。バブルがはじけた後とはいえ、時間は今よりずっとゆるやかに流れていた。
一回の打ち合わせで新人は100本のコピーを持ち寄る。師匠はその全部に目を通し、指に挟んだタバコを見つめ、右足を貧乏ゆすりさせながら、いつもこう言う「高田くん、ぜんぜん、分かってないなぁ」。分かってない、だけじゃなく、ぜんぜん分かってないようだ。
鈴木聡さんは「ワンフィンガーで飲るもよし。ツウフィンガーで飲るもよし。」の作者、僕がついた師匠である。またダメか……と思いながら、何がダメなのか、僕は正直よくわからなかった。だけど、聡さんが書いたコピーを見せてもらうと、今まで1光年ぐらいの宇宙でしか考えられなかった僕は...