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EDITOR'S CHECK

大阪中之島美術館 VI計画ほか、注目のデザインの裏側

LOGO
大阪中之島美術館 VI計画

  • 企画制作/direction Q
  • AD/大西隆介
  • D/椙元勇季

2022年2月、大阪市内に新たな美術館「大阪中之島美術館」がオープンする。このVIを手がけたのが、direction Qの大西隆介さんだ。公募により選出されたもので、美術館の建物の黒い外観と中之島の「N」を重ねたシンプルな地図記号のようなマーク、そしてオリジナルでデザインされた書体「中之島フォント」によって構成されている。独自の書体を用いたのは、耐久性を高めて美術館のアイデンティティを高めていこう、という狙いがあってのこと。平体がかった書体で、ロゴでは各単語の頭文字「N」「M」「A」が横長になっている点も特徴的だ。

2020年3月にロゴが公開されて以降、「書体がかわいい」といった声も多いそう。「シンプルな黒いNのマークがどっしりとして存在感があるので、ロゴはその対比で親しみを感じてもらえるように。実際、美術館の北側には芝生広場があり、1階には自由に行き来できる吹き抜けのパッサージュ(通路)もある。これらが相まって“人や文化が交差する公共的な場所”を象徴するようなVIを目指しました」(大西さん)。

このVIから派生する形でWebサイトやモーションロゴなどを発表してきたが、開館に向けて、メンバーシップ会員証、館内案内、ミュージアムグッズなどの制作が目下、進められている。開館と同時に始まる企画展「Hello!Super Collection 超コレクション展―99のものがたり―」(2022年2月2日~3月21日)のメインビジュアルも大西さんが手がけており、中之島フォントが大胆にあしらわれている。「こけら落としの企画展なので、その告知だけでなく、VIの使い方のお披露目も兼ねたビジュアルに仕上がりました」。

今後のアイデアとしては「マーク自体が立体になって、椅子や本棚のような家具ができたら面白い」と大西さん。「黒い立方体で構成するというルールさえ守っていれば、大阪中之島美術館のアイデンティティになる。シンプルな要素で構成されているので、モノグラムのような模様にもなるし、いかようにも展開できるはず。自由にアイデアを実現できて、単一のイメージにとどまらない美術館であるとVIの在り方からも感じてもらえたら嬉しいですね」。

CD
坂本美雨『birds fly』初回限定盤

(FOLKY HOUSE)

  • AD+D/サイトヲヒデユキ
  • 写真/前康輔

10月20日、坂本美雨さんのニューアルバム『birds fly』が発売された。CDジャケットのデザインを手がけたのは、グラフィックデザイナーのサイトヲヒデユキさんだ。

アルバムのレコーディングは、フランク・ロイド・ライトが設計した重要文化財の「自由学園 明日館」(東京・豊島)で行われ...

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