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地域の魅力を発見する クリエイター参画のまちづくり

「地域発」だからこそ流行りを超えた強いデザインを

白井剛暁

地域を長らく拠点にして活躍するクリエイターの強みはどこにあるのだろうか。新潟で育ち、新潟でデザイン会社を経営する白井剛暁さんに話を聞いた。

燕市との「HIENプロジェクト」で開発した若者向けの商品シリーズとブランドブック。

「ブランドプロデュースデザイナー」という在り方

「新潟の特徴は、県内にモノづくりをしている企業が多いところでしょうか。食品や工業製品など、多種多様な製造業の企業があります。新潟の人の特徴はたぶん、ミーハーなところ(笑)。ブランドのプロデュースをするときも、先に関東にPOPUPを出店し、その後新潟に持ち帰る“逆輸入”のようなことを仕掛けることもあります」と話すのは、新潟市に拠点を置く「デザインデザイン」の代表取締役 白井剛暁さん。

三条市で生まれ育ち、県内の専門学校を卒業。その後看板やモニュメントを手がける会社やデザイン会社を経て、2011年6月に独立した。以来新潟県内での仕事のほか、ITコンサルティングファームであるフューチャー(東京・品川)のCIデザインや、「SHIPS」や「LOFT」などさまざまなブランドやショップとコラボした、歯ブラシを軸としたライフグッズブランド「MOYO(もよう)」などを手がけ、地域を越えて仕事をしている。

白井さんは自身を「ブランドプロデュースデザイナー」という肩書だと名乗る。

「実際の仕事はアートディレクションと重なる部分が大きいですが、いただいた課題に対しての解決策がいわゆるデザインだけではないのであえてこのようにしています。場合によりますが、たとえば食品であればパッケージだけではなく、ネーミングや中身の量目、切り方や味などを提案したり、店舗であればメニューの考案や空間デザインをしたりも。課題解決を最優先に考えると自然とその一歩奥に目が行くことが多いです。だからブランドとしての在り方をデザインする“プロデュース”の方が自分の仕事の分野に合っているような気がして」。

たとえば2016年に新潟県燕市と発足した「HIENプロジェクト」。同市の新たな名産品の開発を目的に立ち上げられたこのプロジェクトでは、希少な紫黒米「紫宝」を用いた製品を展開している。当初は高級路線でのネーミングやロゴ、パッケージなどを制作し、展示会などに出品していたが...

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