フェミニズムの視点から作品背景を読み解く試み
ぎこちない会話への対応策──第三波フェミニズムの視点で
1993年に写真家としてデビューした長島有里枝。80年代にメディアが喧伝した揶揄的なフェミニスト像に違和感を抱き、「フェミニスト」と自称することは避けながらもつねに男性中心主義的な価値観への問題提起を作品にしてきた。
その態度は、1990年代に音楽やファッションなどのユース・カルチャーを介して広がった第三波フェミニズムのひとつのあり方だったと考える長島は、「運動」や「連帯」の形をとらずにきた作家の作品にもその要素が見出せるのではないかと語る。
「フェミニスト」を表立って自称することは避けつつ、社会における女性の立場には違和感を抱いていた同時代の作家たちは、写真や映像、立体などの作品を通じてどのような対応策を提示してきたのか。本展では長島がゲストキュレーターとなり、自身を含む1990年代以降に活動を始めた10人の作品から、声高には語られてこなかった作家たちの企図を読み解いていく。
潘逸舟《無題》2006 作家蔵 ©Ishu Han, Courtesy of ANOMALY
ぎこちない会話への対応策──第三波フェミニズムの視点で |
開催中、2022年3月13日まで 金沢21世紀美術館[石川・金沢市] 10時~18時(金・土曜は20時まで、入場は閉館時間の30分前まで) 休館日:月曜(11月1日・22日、2022年1月3日・10日は開場)、11月24日、12月29日~2022年1月1日、1月4日、1月11日 観覧料:一般1200円(1000円)、大学生800円(600円)、小中高生400円(300円)、65歳以上の方1000円 ◇お問い合わせ→金沢21世紀美術館 076-220-2800 ※()内は団体料金(20人以上)およびウェブチケット料金。 ※身体障害者手帳、療育手帳または精神障害者保健福祉手帳を当日券ご購入時にご提示いただければ、ご本人および介助者(1人)の観覧料が2割減額(団体料金と同額)になります。 ※同時開催中の「フェミニズムズ/FEMINISMS」との共通観覧券です。 ※入場当日に限り、「コレクション展1 Inner Cosmology」(11月3日まで)および「コレクション展2 BLUE」(11月20日~2022年5月8日)にもご入場いただけます。
|
あと60%
この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。