フェミニズムの視点から作品背景を読み解く試み
ぎこちない会話への対応策──第三波フェミニズムの視点で
1993年に写真家としてデビューした長島有里枝。80年代にメディアが喧伝した揶揄的なフェミニスト像に違和感を抱き、「フェミニスト」と自称することは避けながらもつねに男性中心主義的な価値観への問題提起を作品にしてきた。
その態度は、1990年代に音楽やファッションなどのユース・カルチャーを介して広がった第三波フェミニズムのひとつのあり方だったと考える長島は、「運動」や「連帯」の形をとらずにきた作家の作品にもその要素が見出せるのではないかと語る。
「フェミニスト」を表立って自称することは避けつつ、社会における女性の立場には違和感を抱いていた同時代の作家たちは、写真や映像、立体などの作品を通じてどのような対応策を提示してきたのか。本展では長島がゲストキュレーターとなり、自身を含む1990年代以降に活動を始めた10人の作品から、声高には語られてこなかった作家たちの企図を読み解いていく。
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潘逸舟《無題》2006 作家蔵 ©Ishu Han, Courtesy of ANOMALY
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開催中、2022年3月13日まで 金沢21世紀美術館[石川・金沢市] |