NTTドコモは7月19日、約6年ぶりとなるスローガンの刷新を発表した。同日から、それらを体現するテレビCMやグラフィックを展開している。プロジェクトを率いてきたTBWA\HAKUHODOのECD 細田高広さんに話を聞く。
3つのポイントを元にスローガンを制定
新スローガンは「あなたと世界を変えていく。」。2020年12月1日に着任した井伊基之社長の企業変革への思いが、色濃く反映されたものだ。細田さんは企画の経緯をこう振り返る。
「井伊社長からは主に3つのポイントを伺いました。ひとつは、通信会社の枠を越えて社会にイノベーションを起こす会社になるということ。ドコモは多様な技術を有する企業ですが、それが伝わりきっていない部分がある。まずはきちんと発信をし、さまざまな企業や新たな才能と共創することで会社の役割を変化させていきたいと。2つ目に、ブランドの人格を変えたいということ。ドコモはインフラとして“信頼”“安定”といったイメージが強いのですが、そこに安住せず、挑戦者のメンタリティも持つ企業になりたいのだと伺いました。3つ目は、長期的視座でコミュニケーションを行うこと。通信業界の広告では短期的なプロモーションが中心になりがちですが、そればかりではなく長期的なコミュニケーションの仕方も追求するべきではないか、と。企業の体質もイメージも同時に変えていきたいのだとお話いただきました」。
3つのポイントを元に、まずはスローガン開発に着手。「改めてドコモらしさを考えてみると、『あらゆる人に寄り添う』という企業姿勢に行き当たった」と細田さん。東北の人々に11年向き合っている復興新生支援をはじめ、単なるスポンサードではなく給与保証もするeスポーツリーグの運営など、ドコモは人に寄り添った活動を実践してきた。井伊社長やドコモのプロモーション部のチームとやり取りを重ねながら、“人に寄り添う企業姿勢を発展させて...