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デザインの見方

日本らしさの誤解を解いた文様のデザイン

西川 圭

『日本の文様』光琳社出版(1970)

『日本の文様』という全30巻の文様集に出会ったのは、美大を卒業した直後、今から15年以上前のこと。デザイナーの父から「日本的な模様を考えてほしい」と頼まれたのがきっかけです。そのための資料をWebで検索して探していたとき、『日本の文様』を見つけました。

実はそれまで、イギリスのデザインに対する憧れが強くありました。父の仕事の都合で、小学生の頃に短期間ではありますがイギリスで暮らしたことが影響しているのかもしれません。大学の卒業制作では、欧文ディスプレイ書体のデザインを行いました。しかし、美大を卒業後、ふと「日本人なのに日本のデザインのことや、そのルーツをなぜか知ろうとしてこなかった。もったいないことをしているのかも」という考えが頭をよぎり、そのタイミングでちょうど父から声をかけられたのでした。この機会に少し勉強してみようと『日本の文様』を全30巻、まとめて購入。

そして自宅に届いた本を見て、本当に驚きました。これまで自分が思い描いていた“日本らしさ”とは異なる、斬新な文様が数多く掲載されていたからです。日本文化や日本のデザインのルーツにがぜん興味が湧き、書を学んだり専門書を読んだりするようになりました。

『日本の文様』のテーマは、1巻ごとに『けもの』や『鳥・虫』『春草』などモチーフ別になっています。たとえば『けもの』の巻には、犬やウサギ、リスの他、動物の絵柄を用いた織物や漆の小箱、挿絵など。古代から江戸時代くらいまでにつくられたものが、ジャンル問わず...

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