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日本での「顔」をつくるコミュニケーション

セールスフォース・ドットコム

顧客関係管理(CRM)のグローバルリーダーであるセールスフォース・ドットコムは、2020年11月から「次の世界へ。」という言葉のもとテレビCMや新聞広告を展開している。

2020年11月に公開したテレビCM「次の世界へ。宣言」篇と、11月26日に日本経済新聞に出稿した新聞広告。

「改めて日本での自己紹介を」

セールスフォース・ドットコムは昨年11月、テレビCM「次の世界へ。宣言」篇を公開した。「このままの世界で、生きるか?」というメッセージから始まるこのCMでは、人種もジェンダーも多様な人々が「Rather than perfection, maintaining perfection(完全よりも、永遠の青さを)」「Rather than being in a crowd without reason, become isolated with a reason(意味なく群れるよりも、意志のある孤立を。)」と次々に意思表明をしていく。軽やかなBGMが、言葉の強さを引き立てる。

これまでのセールスフォース・ドットコムの日本国内でのコミュニケーションは、多くが米国本国のアダプテーションであった。しかし今回は、日本発。なぜ今、そしてどんな意図で企画されたのだろうか。

企画がスタートしたのは、新型コロナウイルスの感染が拡大しつつあった2020年4月頃。多くの企業でデジタルトランスフォメーション(DX)が重要視され、セールスフォースでも企業や自治体に多くのサポートを提供していた時期だった。「セールスフォースの信念は『ビジネスは社会を変える最良のプラットフォーム』。顧客の方々も困難な状況にあるこのタイミングで改めて企業としてのスタンスを打ち出し、共に乗り越えるべく意思表明をしたい、とご相談いただいた」と電通 シニア・アカウントリードの入澤智之さんは経緯を話す。

米国では創業者 マーク・ベニオフの名やフィロソフィーが浸透している同社だが、日本での認知度はまだまだ。同社のマーケティングチームと共に企画をリードしたひとり、キム・フーンさんは、「言うなれば、日本では“まだ顔の見えない”存在でした。まず顔を覚えていただき、どんなビジョンや信念を持っているのか、つまり『Who we are』と改めて自己紹介をするということを考えました。目的を整理することが難しかったのですが、皆でディスカッションしながら進めました」と振り返る。

企画は、旗印となるメッセージをつくるところから始まった。「米国のメッセージをそのまま日本で用いるのではなく、今の日本で受け入れてもらえるよう“翻訳”していきました。マーク・ベニオフ氏の言葉を見返し、セールスフォースの思想の核となる部分を学んでいくと、先程の『ビジネスは社会を変える最良のプラットフォーム』という信念や『トレイルブレイザー(開拓者=革新に挑戦する人々)』の精神など、変化を恐れないのが“らしさ”だと思いました」と電通 クリエイティブディレクター/コピーライターの郡司音さん。

そこから生まれたのが、今回の「次の世界へ。」という言葉だ。「企業の規模感や包容力を反映させています。一見甘い言葉に思われるかもしれませんが...

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