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事業成長に貢献するスタートアップ企業のクリエイティブ活用

一歩先までを提案する、農業×デザイン

原崎農園

2007年に北海道鷹栖町に移住し12年に新規就農した原崎農園 原崎拓也さん。青大豆やグリーンアスパラガス、トマトなどを育てている。そんな原崎農園の販売ツールやWebサイトなどデザイン面を担うのがcagicacco ゲンママコトさん。農業とデザイン、どのような関係性にあるのだろうか。

名刺のデザインがきっかけに

原崎農園があるのは、北海道鷹栖町。道内のほぼ中央に位置し、旭川市とも隣接している。前職で接点があったことから、原崎さんは農業に興味を持ち、2007年から新規就農を志した。旭川市から鷹栖町に移住し、農家での研修兼アルバイトで経験を積む。12年から営農を開始し、旬の野菜を育て、地域のマルシェやサイトを通じての直販、本州への卸の形などで販売している。

そんな原崎さんとcagicaccoの代表/アートディレクター ゲンママコトさんが出会ったのは、2016年頃だった。原崎さんが名刺のデザインを依頼できる人を探していたところ、中小企業の交流会を通じてゲンマさんを紹介されたという。

「前職は営業職で、月に何百枚と名刺交換をしていて。農業を始めるときには、もう名刺もない、スーツも着ない仕事をしようと思っていたんです。でも事業を続けるなかで、覚えてもらうためにはどうしても名刺は必要だなと思って。つくるからには渡した人の記憶に残るものにしたいと思い、デザインを相談できる面白い人がいないかと探していたところ、ゲンマさんという人がいるよと紹介を受けました」(原崎さん)。

そうして、名刺の依頼を受けたゲンマさん。しかし「今後原崎さんがやりたいことを聞いていくと、たとえば6次産業化など、かなり広がりが見えて。名刺をつくるのであれば、今後の商品展開なども見据えてロゴやツールのデザインもするべきだと提案しました」と振り返る。ただ原崎さんが想定していたのは、その時点では名刺デザインのみ。そこでまずは名刺のデザインのみをお願いし、今後必要なものがあれば順次相談していく、という形とした。

「実際に名刺を使い始めてみると、すごく評判が良くて。それをきっかけに原崎農園を覚えてもらえることも多く、効果を実感しました」(原崎さん)。名刺のデザインは、紙の形やフォントを含め全体的に膨張感があるのが特徴。これは作物が育っていく様子や...

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