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名作コピーの時間

焦るコピー

小川祐人

    タイは、若いうちに行け。

    タイ国際航空/1995年
    〇C/大建直人、神谷幸之助

    団塊は、資源です。

    宝島社/2006年
    〇C/前田知巳

    UNITED COLORS OF BENETTON.

    BENETTON/1985年
    〇C/Oliviero Toscani、Eldorado

焦るコピー

いいコピーを見ると、焦ります。それは、つくり手の自分という意味でも、受け手の自分という意味でも。そして、広告という仕事と出会ってからは、ずっと焦り続けてきた人生のように思います。

就活を終えた大学4年のある日。海外に行ったことのなかった自分に、友だちが言いました。「タイでも行けば?『タイは、若いうちに行け。』って言うし」そうなのか(焦)。翌週、チケットとパスポートを握りしめ、一人バンコクのバックパッカー通りに立っている自分がいました。若いうちは、パリでも京都でもなく、タイしかないのである。その、半ば強引ではありつつも行った人は確実に共感できる愉快犯的な文体が、凄いと思いました。

会社に入り、コピーライターとして働くようになって。「あえて大きいことを言ってみると……」と言い訳をしながら...

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焦るコピー(この記事です)
コピーに励まされて、コピーを書き続ける。
石田文子が初めて出会ったコピー。
目指すのも、行き着くのも、自由だ
心に風を吹かせるコピー
出したくて、ウズウズするコピー。
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