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DIRECTOR'S WORKS

演出家として、言葉をいかに美しく格好良く伝えるか ピッコマ「アメハナカラス」篇

永井 聡

気になるあのCMの演出やキャスティングについて、ディレクターにインタビュー。今月は、電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」のCM。小説家志望のフリーター 花(有村架純)と熱狂的なファンを持つ謎の路上アーティスト 雨(アイナ・ジ・エンド)が運命的な出会いを果たす。

永井さんが描いた絵コンテ。

着ぐるみ姿でティッシュ配りをする「花」の横を人々は素通りしていく。その姿のまま休憩所で携帯を眺めている花のもとへ、「ワタシハ…ココニ…イマス」と何通ものメッセージが届く。雨が降りしきる夜の街を一目散に駆け出していく花。そして、踊りながらペイントアートを描く「雨」と、“まるでマンガみたいに”出会う。

演出を務めた永井聡さんは、「日本のドラマやCMというより海外でつくったドラマのようなトーンにしたかった」と話す。というのも、ピッコマのサービスは、マンガ配信という明快な内容であるため、「サービス内容を描くのではなく、CMらしくない表現で人を惹きつけることを目指した」という。花のもやもやとした気持ちを表現するために、CMでは避けられがちな雨降る夜に撮影し、ロケ地もどこかアンダーグラウンドな場所を選んだ。

「映像の色味は中国映画『薄氷の殺人』を参考にし、異国情緒を感じるものに。ただ、本当に寒くて、『夜と雨の演出はやめようね』とスタッフ間で言い合うほど、大変な撮影でした」。

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